一見、何気ないスパムに見えるが…
ESET
ロシア政府お抱えのハッカーが、ブリトニー・スピアーズのInstagramのアカウントのコメントを利用して、マルウェア(破壊工作ソフト)をコントロールしている疑いが浮上した。
ロシア政府とつながりがあるとされ、外国の政府機関、軍、教育機関などをターゲットにしているハッキンググループTurlaの動きを追っていたスロバキアのサイバーセキュリティー会社ESETが、一見何気ないInstagramのコメントに、「異常な文字列」が潜んでいることを発見した。
ESETのブログによると、ブリトニー・スピアーズのInstagramに寄せられた一見無害なコメントを通じてマルウェアを動かしていたという。
ユーザーの「asmith215」は「#2hot make loved to her, uupss #Hot #X」と書き込んでいる。ただの意味のないスパムのようだが、そこには短縮URL「bit.ly link」の一部を構成する文字列「2kdhuHX」が隠されているのだ。
そして、このリンクからコマンド・アンド・コントロール (C&C) サーバーにアクセスし、何をすべきかの指令を受けたり、盗んだデータを受け取る仕組みになっている。
問題のコメントがアップされたのは今年の2月で、現在は既に削除されている。クリックされた回数がほんの数回だったことから、運用テストをしていたものとESETは見ている。
ブリトニー・スピアーズが知らぬ間にハッキング被害に巻き込まれたのは、初めてではない。2016年12月には、ソニーミュージックとボブ・ディランのTwitter公式アカウントを乗っ取ったハッカーにより、「ブリトニーが死亡した」という偽ツイートが流され、ネット上は一時騒然となった。
[原文:Russian hackers are communicating with malware via Britney Spears' Instagram]
(翻訳:十河亜矢子)