アップルはWWDCでBusiness Chatの導入を発表していたが、9日の個別カンファレンスでその機能を紹介した。
Thomson Reuters
アップルは、「メッセージ」アプリを使って企業が顧客とやりとりできる「Business Chat」を発表した。この秋、iPhone/iPadの次期OSとなるiOS 11のリリース時に導入される予定だ。
「Business Chatを使えば、顧客と繋がって、個別の対応を行うことができ、さらにApple Payで製品を買ってもらうこともできます」と、同社は開発者向けのウェブページで述べた。
アップルは6月6日(現地時間)から始まったWWDCでBusiness Chatの導入を発表していたが、9日の個別カンファレンスでその機能を紹介した。
アップルのBusiness Chatは、いわゆるチャットボット(人同士のチャットに加えて、アルゴリズムやAIを活用したやり取りができるもの)と呼ばれるアプリ。FacebookのMessengerと競合することになる。我々はFacebookにコメントを求めている。
Business Chatの詳細
Apple
- iOS 11のユーザーは、Siri、Maps、Safari、Spotlight検索で見つけた企業から、チャットによるユーザーサポートを受けることができる。
- アップルによると、企業やお店と直接会話することで、「顧客は質問をしたり、予約したり、商品を購入することができるようになる」という。商品購入は全てApple Payで処理される。
- 企業は「カレンダー」アプリを使って顧客にイベントのスケジュールを知らせることができ、商品のリストを提示することもできる。
- テキストでは伝え切れない情報が必要な場合は、顧客に別のアプリをダウンロードしてもらうこともできる。コンサート会場の座席を選択するなど、複雑なタスクにも対応できるようになる。
- Business Chatは、Salesforce、Genesys、Nuance、そしてLivePersonなど、カスタマーサポートにおける主流のプラットフォームと統合される予定。
カスタマーサポート用のチャットボットは、Facebookにとって、MessengerとWhatsAppを収益化するための最大の一手だった。Messengerを使ったチャットボットは、当初は複雑かつ期待はずれなものだったが、Facebookは今年4月、同アプリをよりシンプルで使いやすくすると発表した。
WhatsAppの企業向けカスタマーサポートシステムは現在テスト中だが、まだ公開されていない。こうしたチャットボットは、既にテンセントのメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」などで人気を集めている。
※source:Apple
(翻訳:Keitaro Imoto)