BMW「Z8」やアストンマーティン「DB9」をデザインしたヘンリック・フィスカー(Henrik Fisker)氏が6月10日(現地時間)、EVセダン「Fisker EMotion」を発表した。
フィスカー氏は同車に関して大胆なアピールを行ってきた。昨年10月、同氏は、Fisker EMotionは400マイル(約640キロメートル)以上の航続距離を誇り、新しいバッテリー技術のおかげでわずか9分で充電できると述べた。
Fisker EMotionは世界最先端のEV。400マイル以上の航続距離、9分での高速充電、自律走行、インターネット接続。開発中のこの車をとても誇りに思う!
フィスカー氏が以前、Business Insiderに語ったところによると、Fisker EMotionは旧来のリチウムイオンバッテリーではなく、グラフェンスーパーキャパシター(炭素素材を活用したコンデンサ)を搭載する予定だ。この技術はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが開発中で、まだ特許出願中の段階だ。
Fisker EMotionには自律走行機能が導入される予定だが、フィスカー氏は完全自動運転に対応するかどうかは明言していない。フロントフレームの台形部分に「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるセンサーを搭載し、レーザーで障害物を検知する。
Fisker EMotionは、デトロイトに本拠を置くVLF Automotiveによって製造される予定。フィスカー氏は今年1月、同社に加わった。同社はフィスカー氏がデザインしたスーパーカー「Force 1」を生産している。
Fisker EMotionの販売価格はテスラの「Model S」と同じ価格帯になるだろうと、フィスカー氏は以前、Business Insiderに語った。
フロントフレームの台形部分に「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるセンサーを搭載し、レーザーで障害物を検知する。
Henrik Fisker
フィスカー氏には、議論を呼ぶ複雑な過去がある。
同氏はテスラ「Model S」の初期の設計段階に関わっていたが、その後1台10万ドル(約1100万円)の高級ハイブリッドセダン「Fisker Karma」を開発するためにテスラを離れた。
だがFisker Karmaはバッテリーに多くの問題があり、結局、同氏が作った会社Fisker Automotiveは倒産した。
フィスカー氏は、新しいEVでテスラに挑むと語った。
「市場を見たとき、特に高級車市場では、明らかにたった1社だけ飛び抜けている企業がある。テスラだ」と同氏はBusiness Insiderに語っている。
[原文:Legendary car designer Henrik Fisker unveils his Tesla rival]
(翻訳:Keitaro Imoto)