もうAIには太刀打ちできない。少なくとも、ゲームでは。
マイクロソフトの人工知能(AI)システムが、Atari 2600版「ミズ・パックマン」で99万9990点のパーフェクトスコアを達成した。同ゲームを完全攻略したのは、人間でもロボットでもこれが初めてだろう。
クラシックアーケードゲームのハイスコア記録サイトHighscore.comによると、Atari 2600版「ミズ・パックマン」の最高得点は、ブラジルのプレーヤーによる26万6330点となっている。
以下の動画で、マイクロソフトのAIによる偉業を確認できる。得点が上限に達し、ゲームがリセットされるシーンも含まれている。
今回の成果はマイクロソフトが今年1月に買収したカナダのAIスタートアップ企業Maluubaのチームによって達成された。代表者の説明によると、AIの研究者はAtari 2600を標準的に使用しており、研究成果や方法の比較が容易であることからAIシステムの試験にAtari 2600版「ミズ・パックマン」を採用したという。
今回の件には少々おもしろい側面もある。というのも、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏は以前、グーグルが碁や「Starcraft II」などのゲームを攻略するAIを開発しているのに対し、マイクロソフトはより実用的なAIを開発していると皮肉を述べたからだ。
だが大目に見ることにしよう。マイクロソフトは、「ミズ・パックマン」でAIに瞬時の判断をさせるために使用されたテクノロジーが、営業担当の日々の判断を支援するソフトウェアなどにも活用できるとしている。
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[原文:A Microsoft robot got the highest all-time score in 'Ms. Pac-Man']
(翻訳:Keitaro Imoto)