グーグル、アマゾン、マイクロソフトの増収を支えるクラウド。拡大を加速させる条件とは?

先月行われたアルファベット、アマゾン、マイクロソフトの決算報告で、各社のクラウドビジネスが2017年第1四半期の増収要因となったことが明らかになった。

第1四半期売上高に占めるクラウドの割合

2017年第1四半期売上高。ブルー:クラウドビジネス、グレー:それ以外の売上高。

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アルファベットの売上高は、前年同期比で22%増、248億ドル(約2兆7500億円)に達した。このうち18%、30億ドルが、クラウドビジネスによるものだ。アマゾンは売上高357億ドルに対し、その10%、36億ドルがAWS(アマゾンウェブサービス)によるもの。同じく、マイクロソフトは売上高235億6000万ドルに対し、その10%、36億ドルがクラウドビジネスによるものだった。

アルファベット、アマゾン、マイクロソフトは各々、異なる主力ビジネスを有しているが、3社とも成長を続けるクラウドビジネスから大きな売り上げを得た。以下、各社のクラウドビジネスを見ていこう。

  • アマゾン:クラウドマーケットでトップを走る。 同社は2016年第4四半期、パブリッククラウドサービスでグローバルシェアの40%を占めた。アマゾンによると、2017年第1四半期、同社のクラウドビジネスであるアマゾンウェブサービス(AWS)の営業利益は8億9000万ドルに上り、同社の利益の大部分を占めた。同社は、収益の多角化を進めており、主要ビジネスであるEC事業への依存度を下げようとしている。
  • マイクロソフト:クラウドマーケットで第2位。同社は2016年第4四半期、パブリッククラウドサービスでグローバルシェアの11%を占めた。同社の主力クラウドサービスであるMicrosoft AzureとOffice 365は、2017年第1四半期、前年同期比でそれぞれ93%増、45%増となった。同社は、PCソフトウエアへの依存度を下げようとしている。
  • アルファベット:アマゾンとマイクロソフトに次ぐ第3位。同社は2016年第4四半期、パブリッククラウドサービスでグローバルシェアの6%を占めた。アルファベットはクラウドビジネスの売上高を明らかにしていないが、グーグルのクラウドサービスを含む「グーグルのその他の売上高」は、2017年第1四半期、前年同期比で49%増となった。同社は、売り上げのほとんどを占める広告への依存度を下げようとしている。

クラウドビジネスの拡大は、収益の多角化のみならず、成長中のXaaS(Anything-as-a-Service:ITに必要なもの全てをインターネットを通じてサービスとして提供するビジネス)マーケットから利益を得ることも可能にする。例えば、IaaS(Infrastructure-as-a-Service:サーバーや回線などハードウエアを提供するサービス)マーケットは2016年、前年比で38%伸びた。さらにクラウド・インフラストラクチャ全体(パブリックおよびプライベート)への支出は、年間平均13%のペースで増加し、2020年までに600億ドルに達する見込みだ(IDC調べ)。

クラウドビジネスは、上記3社にとってますます重要になっている。デジタル・エコシステムは、デバイス中心のものから、どこからでも、さまざまなデバイス経由で製品やサービスにアクセスできるクラウド中心のソリューションに移行している。この動きは、この先数年間でより鮮明になっていくだろう。消費者やビジネスパーソンがよりモビリティを求め、IoTの進展によって、インターネットに接続され、活用できるデバイスが飛躍的に増えていくからだ。

必要な時にインターネット経由でサービスを提供するクラウドコンピューティングは、近年さまざまな場面で活用されるようになってきた。Googleドキュメントから、大企業向けのデータベース管理スイートまで、ビジネスで使用されるツールはますますクラウドに移行している。

だがクラウドビジネスにも課題はある。パブリッククラウドソリューションは、おそらく今後10年間でほぼすべてのユーザーが使うようになるだろう。しかしセキュリティへの懸念や既存インフラとの絡みなどから、企業が今すぐにパブリッククラウドに完全に移行することは難しい。

したがって、(パブリックとおよびプライベートの)複数のクラウドサービスを利用するハイブリッドクラウドが、少なくともセキュリティや既存インフラの問題が解決されない限り、当面一般的であり続けるだろう。IaaSマーケットを占めているアマゾン、IBM、マイクロソフト、グーグルは、現状の課題に対処するためにサービスを拡大し、競争を続けている。

[原文:The cloud drove Q1 results for Google, Amazon, and Microsoft

(翻訳:原口 昇平)

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