5月29日(現地時間)、地球観測衛星「アクア (Aqua)」で、この現象をとらえたNASAによると、原因は植物性プランクトンの増殖だ。
Norman Kuring, NASA’s Ocean Biology Processing Group
黒海とボスポラス海峡の一部が鮮やかなターコイズブルーになっている。
NASAによると、この様子を地球観測衛星「アクア(Aqua)」が捉えたのは5月29日(現地時間)。原因は増え続ける植物性プランクトンだと言う。
植物性プランクトンは日光や水中の栄養分で増殖する。一定の時間が経つと、その数は爆発的に増加し、水の色を変えてしまう。
NASAゴダード宇宙飛行センターの海洋学者ノーマン・クリング(Norman Kuring)氏によると、現在、ボスポラス海峡(ヨーロッパとアジアを隔てる海峡)で発生している現象は特に色が明るい。だが、今回の現象は5月と6月にしばしば見られる植物性プランクトンの活動と一致している。
その様子を見てみよう。
この現象に気づいた時、一部のイスタンブール市民は汚染や地震が原因ではないかと心配したようだ。
REUTERS/Murad Sezer
通常、ボスポラス海峡は濃い青色だ。色の変化は植物性プランクトンの増殖によるものだとNASAは説明する。
REUTERS/Murad Sezer
プランクトンの電子顕微鏡写真。皿状のものが表面を覆っている。多数集まると光を反射する。
PLoS Biology
そのため、膨大な数の植物性プランクトンは水の色を変えられるのだ。今回の現象は宇宙から観測できるほど明るく輝いている。
Norman Kuring, NASA’s Ocean Biology Processing Group
魚など、多くの海洋生物は植物性プランクトンを食べるが、植物性プランクトンが大量発生すると海中の酸素が足りなくなり、海洋生物が窒息してしまうこともある。
NASAが、ボスポラス海峡が鮮やかなターコイズブルーに変化した原因は、植物性プランクトンだと明らかにしてくれた。
ただ、環境学者のAhmet Cemal Saydam氏によると、増殖中の植物性プランクトン「円石藻」は、アンチョビなどの海洋生物のエサとなるため、黒海にとって悪いニュースではないと言う。
NASAによると、このカリブ海のようなターコイズブルーの黒海は今月いっぱいは楽しめそうだ。
source:Norman Kuring, NASA’s Ocean Biology Processing Group、PLoS Biology、
[原文:An underwater bloom has turned part of the Black Sea a brilliant turquoise that can be seen from space](翻訳:梅本了平)