iPad Pro 10.5インチ速攻レビュー:"買い"がLTE版64GBである理由、日本語キーボードの評価は?

iPad Pro 10.5インチモデル

WWDC2017で発表された「iPad Pro 10.5インチ」モデルを数日前から試用している。この10.5インチというサイズ感は、画面に狭さをあまり感じず、かといって12.9インチほど持ち運びを気にする必要もなく、日本人にはベストなサイズ感だ。

編集部周辺の従来版9.7インチユーザーからすると、この10.5インチのサイズは「画面が0.8インチ大きくなっただけの割に、意外と広さを感じる」という評価らしい。普段は15インチMacBook ProやSurface 3を使っている僕にとっては、持ち運びやすい仕事道具といった感じだ。

iPad Pro10.5と一緒に使うもの一式

iPad Pro10.5と一緒に使うもの一式。Unboxは自分のものでなくたって何回やっても気分があがる。

iPad Proのカメラ

今回からiPhone7と同等になったカメラ。iPhoneほど多用しないとはいえ、綺麗に失敗なく撮れるのはポイント高い。

WWDC2017で発表されたiPad Proの新機能のほとんどは、実はiOS11で実装されるものだ(たとえばファイル管理機能やDockなど)。だから、みんなが期待する「完成版」を触れるのは、この秋、おそらく9月になってからだ。

ということで、現時点では画面が広くなった以外は、「心臓部であるSoCがより高速なApple A10X Fusionになって動作がよくなるだろう」「120fps&HDR対応のディスプレイは綺麗で見やすくなってるんだろう」という、ある意味、想定しやすいアップデートだろうと想像していた。

実機を取材に実戦投入してみたファーストインプレッションは、良くも悪くも「これは欠点がないな」ということ。

いつものiOSだし、いつものiPad Proだから(もちろん画面は大きくなっている)、「驚き」とか「派手さ」みたいなものはそれほどない。でも、道具としての完成度が高いという感覚。開封したその瞬間から、違和感なくいきなりフルスピードで使える。高速になったことでアプリの切り替えや、画面を2分割してアプリ2つを使うスプリットビューで遅さを感じるようなことはまずない。

これって、「新品だけど"使い慣れた手帳"」みたいな良さだ。一般的なノートPC(Windows/Mac)に比べてIMEの変換があまり賢くないとか、タスク切り替えやカーソル操作に慣れが必要(結局、画面をタッチすることが多い)だとかはあるけれど、どうしても気になる人は、iPad Proをわざわざ選ばなくても良いわけだから。

日本語キーボード+LTE版の良さ

さて、使い始めた最初の1日でとても気に入ったのが、実はより綺麗になった液晶でも、画面サイズでも、速さでも、より画面描画が滑らかになったペン「Apple Pencil」でもなかった。

ココロに響いたのは、新しくなった日本語キーボードだ。

iPad Proのキーボード

iPad Pro 10.5インチのキーボードは、仕事に使う人には絶対買うべきと太鼓判を押せる完成度。価格は1万9224円だから「いいお値段」のアクセサリだが、適当な外付けキーボードを買ってる場合じゃない良さはある。

配列は取り立てて良いというわけじゃないのだけれど、十分に打ちやすく、なにより静かだ。見た目に反してストロークがそれなりにあること、主要キーのサイズが一定に統一されてることが好感触の主因だと思う。見た目にはキーが離れすぎているように見えるが、実際には悪い印象はまったく感じなかった。

打鍵の静かさは大いに評価できる。Touch Bar搭載の新MacBook Proシリーズなどは打鍵感、打ちやすさは相当高レベルなのに、音がかなり大きいので、インタビュー取材では気を使う(きっと、会議などで使いづらいと思っている人もいるはず)。

タブレット型の競合としては、「Surface3」や「Surface Pro」なんかもあるが、キーボードの打ちやすさは遜色ない。Surfaceと違って、キーボードがチルトできないので、むしろ机上の打鍵感は良かったりする(ただし膝の上で打つ場合は別。使えなくはないけれど、やっぱり不安定だ)。

結果として、初投入のインタビュー取材で、数千文字の取材メモをあっという間に快適に入力できるという、意外な満足度を初日から感じることになった。

バッテリーがどのくらいもつのかは一度厳密に測ってみる必要はあるが、アップルが言う「動画再生で最大10時間」という性能からすると、バッテリーがよくもつモバイルノート的な使用感になるはずだ。少なくとも相当ヘビーに使っても、半日の取材で充電が心配になることはあまりなさそうだ。

iPad Proの背面

割と複雑な折りたたみ機構のキーボード。何度触っても頑張って考えたんだなぁという感じがする。角度調整はできないが、視野角の広い液晶とあいまって今のところ不満は感じない。

個人的ベストバイが64GB/LTE版の理由

この記事を読んでいる読者の皆さんのなかには、iPad Pro 10.5インチモデルを「(iOS11で今度こそ)ノートPC的に使えるのではないか」と期待している人も多いと思う。実際、BUSINESS INSIDERの記事アクセスを見ていると、iOS11の新機能解説も含めた石川温氏の現地レビュー記事は、毎日継続的に読まれ続けている

iOS11へのアップデートは3カ月ほどお預けとして、今もし買うならどのモデルが良いかは気になるところ。僕自身の選択でいうと、答えは決まっている。ストレージ容量が最も小さい64GBのセルラー版、価格は9万1584円だ。

iPad Pro 10.5インチ

出費を抑えるためにアップルペンシルを我慢するか、キーボードを我慢するか……で悩むなら、個人的にはまずペンを諦める。


iPad ProのSImスロット

iPad ProのSIMカードスロット。SIMサイズはnano SIMだ。

なぜか。僕の仕事環境では、取材メモや写真はすべてクラウド同期しているので、基本的にストレージ容量はほとんどいらない。動画視聴(Amazon Primeビデオがお気に入り)や音楽(Spotify)や読書(Kindleとdマガジン)も基本的にサブスクリプションで済むから、これもほぼ容量を食わない。

一方で、LTEが使えるセルラー対応は、ちょっとした出先でもスマホのバッテリー残量を気にせずデータ通信できるし、海外出張なんかでも大いに役立つ。打ち合わせのメモなども無線LAN接続のあるなしをなにも考えずに、リアルタイムで同期できるから安心だ。ランニングコストは、格安SIMのパケットシェアプランと組み合わせればほぼ無視できるレベルになる。そんなわけで、LTE版の選択は「あとから追加のしようがない機能」として選んでおきたい。「どうせテザリングするからWi-Fi版でいいよ」という人は、もう少しコストを抑えられて、64GBで7万5384円だ。

とはいえ、いきなりアップルストアでオンライン注文するには、ちょっと勇気がいるところかもしれない。まずは週末の量販店で触ってみて、記事を読んだ印象との違いを確かめてみよう。

(撮影:伊藤有)

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