アマゾンの高級スーパー買収「手にする価値は440店舗だけではない」—— 金融アナリストら語る

AmazonFreshの配達トラック

Flickr / Atomic Taco

アマゾンが高級オーガニックスーパー「ホールフーズ・マーケット」を137億ドル(約1兆5000億円)で買収する。買収額は1株あたり42ドル、前日の終値に27%上乗せした金額だ。

この買収はアマゾンに何をもたらすのか?

アマゾンは複数の戦略が打てるようになる。

まず第1に、アメリカ国内にある440のホールフーズの店舗の多くは、非常に立地が良い。これを手に入れることで、同社は食品配送サービス「Amazonフレッシュ」の配送網を強化できる。

「食品を顧客に効率的に配達するには、顧客に物理的に近い場所に配送拠点、つまり、顧客がネットで選んだ商品を実際に選んで積める場所が必要だ。ホールフーズの店舗はまさに理想的。5年後、店舗はもう今のような小売店には見えないだろう。だがそこに存在しているだろう」と金融サービス会社バーンスタインのアナリストは述べた。

クレディ・スイスのアナリストによると、展開は予定よりも遅れている。

また同社が新サービス「Amazonフレッシュ ピックアップ」を3月に発表したことからも今回の買収は理解できる。

Amazonフレッシュ ピックアップでは、顧客はネットで食品を注文、15分後以降の受け取りの時間を指定できる。現在のところ、サービスが可能な店舗はシアトルにある2店舗だけだが、今回の買収で急速なサービス拡大が可能になるはずだ。

またホールフーズの買収は、AmazonFreshの品揃えの強化のみならず、サプライヤーとの交渉力の強化にもつながると、クレディ・スイスは考えている。

さらに、今回の買収で、同社は食品のプライベートブランドの強化も可能になる。この分野は、アメリカをはじめ、他の成熟したマーケットにおいて成長を続けていると、バーンスタインは語った。ホールフーズのプライベートブランド「365 Everyday Value」はすでに人気を集めており、アマゾンによるさらなる拡大が見込まれる。

プライベートブランドは「成長に時間が必要なビジネス」だとバーンスタインは述べた。だが以下のようにも付け加えた。

「今回の買収でアマゾンは、正真正銘の高級ブランドになった」

[原文:Why Amazon is buying Whole Foods

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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