マイクロソフト社の新Surface Laptop(コバルトブルー)
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マイクロソフトSurface部門のゼネラルマネジャーを務めるライアン・ギャビン(Ryan Gavin)氏は、Business Insiderとのインタビューの中で、「iPad Proはアップルがマイクロソフトの後を追っている『明確な例』だ」と発言した。
同氏は次のように述べた。
「考えてみてほしい。もし我々がアップルの後追いをしていたのなら、Surface ProやSurface Bookなどの製品は作れなかった。我々はもう何年も2 in 1のカテゴリーで製品をブラッシュアップしてきたが、Surfaceを発表した当時は誰もが懐疑的だった。アップルもそうだ。そして彼らは我々の後を追い始めた。iPad Proはその明確な例だ」
無論、マイクロソフトはアップルとの競争を意識している。しかしSurfaceの開発に関しては「アップルを意識してはいない」とギャビン氏は語る。
マイクロソフトは、多くの企業が参加した「ロンドン・テック・ウィーク」で自社製品を紹介する「Studio Space」を設け、シアトル近郊のレドモンドにある本社から社員を招集した。同専用スペースでは、Surface Studio、Surface Hub、少しだけ古くなったSurface Bookに加えて、Surface LaptopやSurface Proが展示された。
「顧客が求めたから」Surface Laptopを開発した
マイクロソフトは発表当初から「ノートPCに代わるタブレット」と銘打ってSurface Proを売り込んでいる。そのため、同社が6月15日に発表した(日本は7月20日発売)999ドル(日本価格は税抜き12万6800円)のSurface Laptopは、余分な機種のように見え、しかもSurface Proが多くの顧客にとって従来のノートPCの代用品にはならないことを認めている印象を受ける。では、なぜマイクロソフトはSurface Laptopを開発したのだろうか?
「簡潔に嘘偽りのない回答をしよう。顧客が求めたからだ」
ギャビン氏はそう述べた。
マイクロソフトが発表したSurface Laptop
Jeff Dunn/Business Insider
「Surface Proの汎用性を活用できない場合や、Surface Bookに備わる高い性能が必要ない場合は、Surface Laptopが最適だろう」
しかし同機器に搭載されたのは、よりシンプルで安全性が高く軽量化された「Windows 10S」だ。それはWindows Store以外からアプリがダウンロードできない仕様になっており、欠点に数えてもいいだろう。
ギャビン氏は、新システムの縛りを認めはしたものの、さらなる機能が必要な顧客はWindows 10 Proにアップグレードできると主張した。Windows 10Sは学校や職場での使用に向けて設計されているが、「読み込みのスピードやバッテリー寿命を重視する」テクノロジーにあまり明るくない人たちにも適している、とギャビン氏は言う。
マイクロソフトのライアン・ギャビン(Ryan Gavin)氏
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Surface Pro、Surface Laptop、Surface Bookは同社を代表するモバイルPCだが、マイクロソフトは15日にオールインワン型PC「Surface Studio」も発表した。Business Insiderはギャビン氏に、アップルが今月初めにWWDCで発表したばかりのiMac Proにならい、マイクロソフトもより優れた性能を求める顧客に適した機器を開発することはあるのかと尋ねた。
確かに、Surface Studioは既に十分パワフルだ。しかし、「Studioが象徴するのは、スペックを注視しつつも、全体的なユーザーエクスペリエンスを最も重視するという、Surfaceシリーズに共通する本質だ」とギャビン氏は述べた。
異次元のSurfaceスマホは「今日、電話と考えているようなものにはならない」
Surfaceのデバイスは、新Surface Proに関する我々のレビュー記事のように、基本的にポジティブな反応を受けている。しかし同シリーズには、おそらく最も重要であろうスマートフォンが欠けており、キーデバイスが欠落しているというイメージは消し難い。
現時点ではまだ推測に過ぎないが、長く噂されるスマホのような新型デバイスが発表されれば、「今日、電話と考えているようなものには見えないだろう」とギャビン氏は語った。
[原文:A Microsoft exec said that the iPad Pro is a 'clear example' of Apple following Microsoft (MSFT)]
(翻訳:Keitaro Imoto)