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テニスが "メンタルのスポーツ"と言われる由縁とは? 錦織圭の「強靭なメンタル」の秘訣を探る

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ライフハッカー[日本版]より転載(2017年6月21日公開の記事)

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言わずと知れたテニス界の世界的トッププレーヤーである「錦織圭」

彼がトッププレーヤーでいられる理由のひとつに挙げられるのが、その強靭なメンタルです。各スポーツの中でも特にメンタルが重要だと言われるテニスですが、試合中に発揮される強い精神力が、錦織選手を現在のポジションにした理由の1つと言えるでしょう。

我々の日々の生活や仕事においてもメンタル面の重要性は高いだけに、錦織選手のメンタルの強さの源泉がどこにあるのか、ぜひ知っておきたいところ。

そこで今回は、スポナビライブで現在公開中の錦織選手独占インタビュー「THE PLAYER~錦織圭の人間像に迫る~」でインタビュアーを務めた、プロテニスプレーヤー・テニス解説者である佐藤文平氏にお話を伺いしました。


体力的・技術的に優位であることが精神面での優位につながる

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佐藤文平(さとう・ぶんぺい):プロテニスプレイヤー・テニス解説者。1985年生まれ。東海大学菅生高等学校→早稲田大学スポーツ科学部→早稲田大学大学院修士課程→日体大大学院博士後期課程在学中。2008年大学卒業後、プロデビュー。錦織選手とは15年以上の付き合いで、プライベートでの親交も深い。 現在はプロテニス選手として活動するとともに、日体大大学院にてスポーツバイオメカニクスを研究している。

── テニスは「メンタルのスポーツ」と言われていますが、それはどのような理由からなのでしょうか。

佐藤:2点あると思います。まず、フィジカルから来るメンタルの強さという点です。要するに、相手よりも体力的に優位であることから来る精神面の強さですね。対峙したときに「俺はお前よりも体力があるよ」というところを見せれば、相手は短期決戦に持ち込むしかなくなります。

そうなると、相手は自分のプレースタイルを変えてでも短期決戦に持ち込なければならなくなる。その時点で、ひとつ相手よりも優位に立てるわけです。そして、相手には焦りが生じミスを犯す。これがまず1点です。

次に、相手の得意なプレーで対抗して精神的に追い込むという点です。錦織選手は世界でもトップクラスのストローク技術を持っています。しかし、トッププレーヤーの中にはそれと同等以上のストロークを得意とするプレーヤーがいます。

そういう選手と対戦するとき、お互いにフォアハンド※1のストロークが一番得意な場合に、あえてフォアハンドで打ち勝つんです。これは、マッチポイントを獲ることと同じくらい重要です。

要するに、お互いのファイナルウェポンで戦って潰すというのが、一番ダメージがあるわけです。それをできる精神面の強さ、そして技術面の高さが、錦織選手には備わっていると思います。

── お互いに実力が拮抗していた場合、あえて意表を突く作戦を取るというのもあるかと思います。でも、あえてそれをやらないというわけですね。

佐藤:そういう作戦に逃げると、それがミスにつながったりするんです。あえて消極的な作戦に出てミスをした場合と、自分の強い意志でその作戦を選んでミスをした場合では、ダメージが違うんです。逃げてミスをした場合は後悔が残ります。しかし、自分がこれだと決めてミスをした場合は、自分で決めたことだからとポジティブになれます。

テニスは、1ポイントで終わるゲームではありません。ミスをしても、次のプレーにつながるようなポジティブなミスじゃないと、次につながりません。

※1 利き手側に来たボールを打つこと


試合中のタオルは精神的なリセットタイム

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── 試合中に精神を集中する方法というのは、どういうものがあるのでしょうか。

佐藤:タオルで顔を拭くシーンをよく見るかと思うのですが、あれは毎回、頭の中をリセットするための行為です。あとは、試合の間合いを取るという意味合いもあります。 ポイント間は20秒しかないので、その短時間で次のポイントへの準備をしなくてはなりません。 汗を拭く、より良いボールを選ぶ、そして心の準備(闘争心、落ち着き等のバランス)です。

── もちろん汗を拭くという目的もありつつ、集中する間合いを取るためにタオルで顔を拭くわけですね。そのほかに、何かありますか?

佐藤:テニスを始めた頃というのは、試合中に集中する方法がわからないですよね。ジュニア時代、観客にお母さんがいる、友だちがいる、好きな女の子が見に来てると、気になってしまいます。そうするとかっこつけたくなったり、いろいろ精神が乱れてしまいます。

そこでコーチが、「サーブを打つ前は必ずボールを5回バウンドさせよう」というようにアドバイスをします。そうすれば、サーブ前にボールを5回バウンドさせている間は、自分だけに集中することができるようになります。

それを忘れてしまうと、ペースが早くなってミスをして、さらにあせってミスをするという繰り返しに陥ることになります。

── テニス選手がサーブ前にボールをバウンドさせているのは意味があったんですね。錦織選手も、独自の集中方法などを持っていたりするのでしょうか。

佐藤:正式には聞いたことはありませんが、基本的にはタオルがリセットのタイミングのひとつだということはよく言っていますね。 よく試合を見ていただくとわかるんですが、ポイントを取った後、ミスをした後にタオルを要求することが多いと思います。

── マイケル・チャンさんがコーチについてから錦織選手は変わったと言われていますが、そのあたりはどうなのでしょうか。

佐藤:やはり、錦織選手に対してしっかりと意見を言える人というのは少ないんですよね。

最高ランクが世界4位ですよ。でも、マイケル・チャンは最高世界ランク2位で、歴代最年少(17歳3カ月)でグランドスラム(1989年全仏オープン)も取っているわけです。

── 説得力があるということですね。具体的にはどんなことをアドバイスしていたりするのでしょうか。

佐藤:詳しくはわかりませんが、あまり難しいことは言わないと思うんですよ。技術的なことはもうほぼ完成されていますから。攻めのタイミングや、メンタル的な部分のことですよね。

例えば最近全仏オープンで話題になったのは、メディカルタイムアウト※2の取り方とかですね。 自分がリードをしていて相手はもう手も足も出せない状態なのにも関わらず、今メディカルタイムアウトを取ったら、相手を休ませることになる。休んだことにより、相手に考える時間を与えてしまうので、自分が気になる部分があっても、大きな痛みでない限りはあえて取らないようにするとか。

メディカルタイムアウトの取り方ひとつで相手に弱みを見せることになる。難しい判断ではありますが、こういったことも一つのスキルだと思います。

※2 試合中にケガをした時などに、治療のために与えられる時間


メンタルを鍛える一番の方法は、コートに立って試合に勝つこと

── 体力的なこと、技術的なことというのは練習方法が確立されていると思うのですが、メンタル面のトレーニングというのは、どういう風に行っているのですか?

佐藤:うーん…。本当のテニスのメンタルというのは、基本的にコート上で試合に勝つことで自信のレベルが上っていくものだと思います。厳しい試合を勝つことで、自分の中に自信が生まれるものです。「俺はファイナルセットに入れば勝つ」という、無意味な自信が出てくるんですよ。

── 暗示みたいなものですかね。

佐藤:そうですね。そうやって勝っていくことで、数字が証明してくれるようになります。そうすると周りから「あいつはファイナルセットに強い」と言われるようになります。つまり、相手にそう思わせることができるようになるんです。そしてそれが相手の焦りにつながって、攻め急いで自滅するというような結果になっていきます。 基本的に、闘争心などを含めたメンタルの強さは、テニス選手の場合はコート上にあるんです。逆に、コートを離れたら徹底的にリラックスしますね。自分の戦いの場から離れたときに、いかにリラックスできるかがポイントだと思います。 具体的には、リラックスするための呼吸法を行ったり、ヨガをしながら自分の内面にあるものと会話するとか、そういうことですね。錦織選手もリラックスするのがすごく得意な選手です。

── プロテニスプレーヤーならば、そういうコントロールが自分でできるようになると思うんですが、ジュニアの選手だとその辺が難しいのではないでしょうか。

佐藤:やはり闘争心の面からですね。よく大きな声を出せみたいなことを言われますが、ああいうのはジュニアのときこそやっておいたほうがいいと思うんです。やっぱり、頑張れない子というのはいて。そういう子には、奮い立たせる意味も込めて、ギリギリのところまで突っついてあげないといけないと思います。


「THE PLAYER」のインタビューは最高だった


── 「THE PLAYER~錦織圭の人間像に迫る~」を見ていると、錦織選手がとてもリラックスしているなという印象でした。

佐藤:あのときは、まだ手の痛みから練習を再開したばかりだったので、確かめながらやっていた感じでしたね。

── でも、試合が近くなると練習内容も変わってくるわけですよね。

佐藤:本格的な練習が始まると、練習中に話しかけたりはできませんよ。

── 錦織選手も、やるときはやってやらないときはやらないという、オンオフがはっきりしているのですか?

佐藤:そうです。だからプライベートでは試合のために気合を蓄えている感じなので、こちらからテニスの話をすることはあまりありませんね。

── となると、「THE PLAYER」での会話は珍しいんですね。

佐藤:今回の収録は、いい話を聞けまくりましたね(笑)。普段聞けないようなことも、公式に聞けるという。最高のインタビューでしたね。


遠近法を利用した集中力の高め方

── テニス選手を始めとしたプロスポーツ選手の精神力というのはとても強靭だと思うのですが、一般の人が実践できるメンタル面や集中力の鍛え方などはありますか?

佐藤:僕も企業にプレゼンをしたりする機会がよくあるんですが、 色々準備をしてそれ通りに進めようとすればするほど、 始まる前に緊張して、固まってしまうんです。そういうときは、一度席を外したりするといいですね。外の空気を吸いに行くとか、コーヒーを飲むとか。そうしてまた戻ってくると、集中力が高まるんです。 また、遠近法を使うというのもよくテニス選手がやっていますね。よく試合中に、ラケットのストリングスを直したりしていますよね。一連の動作で言うと、タオルで顔を拭って、ストリングス直して、相手を見てという感じです。 近くを見て遠くを見るということを繰り返すと、集中力が高まります。逆に、高速道路をずっと走っているときは、遠くしか見ていないのでボーッとしてきちゃうことがありますね。まさにそういうことです。

── 視線を近くから遠くへ、遠くから近くへというのが効果的なんですね。

佐藤:僕もパソコンでデータ処理とかをやるのでわかるんですが、ずっと画面を見ていると追い込まれてくるんです。ここのプロットがどうだとか、小さい画面でやっていると行き詰まってくるので。1回視線を外して、プリントアウトして見直したりすると、間違いなどに気づきますね。別の視点から物事を見るというのは、大事だなと思います。

自分が今いる状況から一度外れるというのは、逃げではありません。次に勝つために必要なことなんです。


芝のコートで行われるゲリーウェバー・オープンの見どころは?

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── 最後に、錦織選手も出場し、6月19日(月)から開催されているゲリーウェバー・オープンの見どころなど教えてください。

佐藤:ゲリーウェバー・オープンは、芝のコートで行われます。芝のコートで勝つというのは、すごく才能を持っている選手だと言われているんですよ。

── ハードコートよりも難しいんですか?

佐藤:難しいですね。バウンドも違いますし、球足も速いので、もっとハンディな操作で相手のボールを返さないといけないんです。今、芝のコートではフェデラーが強いですね。そして錦織選手は、ストロークのタイミングが絶妙にうまく、それが芝のコートで生きると思うので、チャンスは充分にあると思っています。 また、芝のコートはサーブの球足が速くなるので、サーブがあまり得意ではない選手でも芝ではサーブが生きてきます。錦織選手は、ほかのトップ選手に比べたらサーブがずば抜けていいというわけではありませんが、そのサーブが生きた上で、彼の世界最高峰のストロークが合えば、優勝する可能性は充分にあるでしょう。

── 錦織選手はもちろんのこと、フェデラー選手の強さにも注目して、ゲリーウェバー・オープンを楽しみたいと思います。本日はありがとうございました。

佐藤:ありがとうございました。


スポナビライブで錦織選手を応援しよう!

現在、スポナビライブで放送されている「THE PLAYER~錦織圭の人間像に迫る~」。普段は見ることができない、リラックスした錦織選手の姿が見られる貴重な番組です。佐藤さんによる錦織選手のインタビューはもちろん、練習風景、食事風景、コーチ陣のコメントなどなど、盛りだくさんな内容となっています。

こんなプライベート感満載の錦織選手が見られるのは、スポナビライブだけ。ファンならずとも必見です!

そして、スポナビライブでは6月19日から開催される「ゲリーウェバー・オープン」を完全放送。錦織選手の試合はもちろん、他の注目選手の試合も存分に楽しむことができます。

まだ、スポナビライブ未体験という方はこの機会に加入してみましょう。月額料金は、通常会員が1480円、ソフトバンクユーザー、Yahoo! プレミアム会員、ワイモバイルユーザーは980円となっています。

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また、初回加入時は最大1ヶ月分無料。そして、スマホ、タブレットPC、パソコン、Chromecastなどから視聴できるので、場所を選ばす楽しめます。

今回のゲリーウェバー・オープン以外にも、プロ野球、メジャーリーグ、B.LEAGUE、海外サッカー、大相撲、キックボクシングなど、多彩なスポーツのほか、今回話題にもあがった「THE PLAYER~錦織圭の人間像に迫る~」のようなオリジナル番組が楽しめるスポナビライブ。スポーツ好きなら加入して損はありません。

さあ、スポナビライブで錦織選手の活躍をこの目に焼き付けましょう!


スポナビライブ|ソフトバンク株式会社

文/三浦一紀、写真/大塚敬太

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