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アマゾンは先週、高級オーガニック食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」を137億ドル(約1兆5000億円)で買収する計画を発表し、世界をあっと言わせた。特に競合する食品スーパーにとっては市場シェアが食われかねない衝撃的なニュースだ。
この買収計画発表当日、ホールフーズCEOのジョン・マッケイ(John Mackey 氏)が、あるタウンホール・ミーティングの場で、アマゾン側と合意に至った「異例の」過程について明かしていた。マッケイ氏によると全てはわずか6週間前、「見合い」での「一目ぼれ」から始まったのだという。
以下がその時のマッケイ氏の発言だ(太字強調は編集部)。
我々はどうやって出会ったのか? ちょっと物語風に話してみよう。共通の友人たちが『お見合い』を設定してくれたんだ(聴衆の笑い)。6週間前、彼らとシアトルへ行き、そこで…恋に落ちた。まさに『一目ぼれ』だったんだ(笑)
私はとても真剣だった。突然、相手を見つけたみたいに。話したのは2時間半ほどだったが、10時間くらい話したように思えた。お互いに満面の笑みで『素晴らしい人たちだ』と言い合っていたね。彼らは非常に賢く、本物だった。思い描いていること、我々が一緒にできることを言葉にしてくれた。今日はその内容を話すことができないし、取引が完了するまでは話せないだろうけど。
慌ただしいプロポーズだった。お見合いでの初対面からわずか6週間で今日、『婚約』したんだからね(笑)。でも昔の結婚と同じように色んなしきたりがあったり仲人がいたりして、実際に結婚するまで婚前交渉はできないんだ(笑)。デートアプリのTinderで出会うような火遊びの関係じゃないからね(笑)。筋書きのないドラマのようだった。
活気あふれるマッケイ氏はさらにアマゾンへの熱愛を語り、そのイノベーションを称賛し、合併がホールフーズにもたらす恩恵を説明した。
しかも1年半前に、アマゾンとの合併を夢で見たことがあったとも語った。
実を言うと、1年半前に、我々がアマゾンと合併する夢を見たんだ。起きてから妻に言ったら『おかしいんじゃないの』って言われてね(笑)。その時は私も『そうだよな、おかしいよな』と答えた。
その後はもちろん、その夢のことは忘れていたんだけど、この間、妻に言ったんだ。『グレンダ、1年半前におかしいんじゃないのって言ったね(笑)、あの夢のことだ』。今日、それは現実になった。夢っていうのは強力なものだ。
間もなくその夢は共有され、ホールフーズの夢はアマゾンの夢となる。二つの企業は共に壮大な夢を実現していくだろう。
その後、アマゾン幹部が会場で「マッケイ氏はホールフーズCEOを続けるだろう」と述べると、マッケイ氏がすぐさま「死が2人を分かつまで」とジョークを飛ばした。
ホールフーズ買収をめぐっては、アマゾンよりも高値を提示するライバルが登場するのではないかとの憶測がささやかれてもいる。しかし、マッケイ氏の感極まった誓いの言葉を聞くと、アマゾンとホールフーズの熱愛に割って入るにはかなりのアプローチが必要そうだ。
[原文:'Love at first sight': The bizarre story of how Amazon's deal for Whole Foods went down]
(翻訳:Tomoko A.)