イギリス人オフィスワーカーの5人に1人が会議中に居眠りしていることを認めた。写真は、2008年、国連安全保障理事会で居眠りしているイギリスのゴードン・ブラウン首相(当時)。
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会議中に意識を失いかけたことは、誰にでもある。ずっと集中していることは難しい。特に他の重要案件を抱えているときは、なおさらだ。
だがこのことがビジネスに及ぼす害は、もっと大きい。イギリス心理学会(BPS)による研究要約ブログResearch Digestが伝えたアメリカにおける調査によると、非生産的な会議がもたらす米国の経済損失は年間370億ドル(約4兆1100億円)に及ぶ可能性がある。
一方、電子ペン、タブレット、ディスプレイを手掛ける企業ワコムの最新調査では、イギリス人のオフィスワーカーの57%が、参加した会議は生産的でないと感じていたことが分かった。
調査は、イギリス人のオフィスワーカー1000人を対象として、今月初旬に実施された。
調査から以下のことが明らかになった。
- 回答者の43%が、会議中に頭を使っていない。
- 34%が会議に集中せず、しばしばその場で他のことをしている。
- 21%が会議中に居眠りをしている。
回答者によると、集中を妨げる主要因はパソコンとスマートフォンだという。
- 回答者の37%が、パソコンを持ち込まなければ、会議がより効率的かつ積極的になるとした。
- 63%は、手書きのメモをとることで、会議がより創造的かつ生産的になるとした。
「世界中の会議の主催者や発表者は常に、出席者の注意をいかにパソコンやモバイル機器から会議そのものへ向けさせようと躍起になっている」とワコムの広報担当者イェルーン・ファントホーフト(Jeroen van't Hoofd)氏は述べた。「ほとんどの人がメモをとるためにデバイスを使用するが、マルチタスクの誘惑は大きすぎる」
同氏はこう付言した。「こうして会議に集中しないことの悪影響は、ストレスレベルから、生産性や企業文化、ついには企業の純利益にまで及ぶ。少ない回数、短い時間でより生産的な会議をすると、全員にとってプラスになる。より意識的な会議は、よりスマートに集中してメモをとることから始まる」
(翻訳:Eiko Ofuji Mizuta)