300億ドル受注達成の最新機「737 MAX 10」でボーイングがエアバスに反撃

ボーイング 737 MAX10

737 MAX 10は、前機種MAX 9が、売り上げで5倍あまりの大きな差をつけられた「エアバス A321 neo」への対抗機種だ。

Boeing

6月19日(現地時間)、ボーイングは737 MAXシリーズで胴体長が最長となる最新機「ボーイング737 MAX 10」を第52回パリ航空ショーで正式発表した。

座席数230席の737 MAX 10は、前機種MAX 9が、売り上げで5倍あまりの大きな差をつけられた「エアバス A321 neo」への対抗機種だ。

「航空各社は、737 MAXシリーズの利点を備えた、より大きく、より良い単通路機を求めている」と、同社の民間航空機部門社長兼CEOのケビン・マクアリスター(Kevin McAllister)氏は述べた。

「737 MAX 10を導入することで、運行の柔軟性、優れた航続距離と燃料効率、卓越した信頼性を実現できる。これらは、737 MAXシリーズの特徴だ」

座席数220席のMAX 9が、236席のエアバス A321neoに勝てなかったことは、大きな成功を収めている737 MAXシリーズ唯一の痛手だった。今年3月に同社セールス部門の責任者、ランディ・ティンゼス(Randy Tinseth)氏が明かしたMAX 10の投入で、ボーイングはエアバスとの差を確実に縮めている。

発表の席でボーイングは、MAX 10がすでに240機以上、300億ドル(約3兆3000億円)相当の発注を受けていることを発表。例えば、インドネシアのライオン・エア・グループは50機、62億ドル超を発注、インドのスパイスジェットは40機(うち20機は他のMAXファリミーからの変更)を発注している。

また、GE系の航空機リース会社も20機を発注、旅行関連大手のTUIグループもすでに発注済みの70機のうち18機をより高額なMAX 10に変更する。

MAX 10はMAX 9より胴体が66インチ(約1.67メートル)長い。さらにボーイングによると、燃費に優れたCFMインターナショナル製LEAP-1Bエンジン、先進のエアロダイナミクス、最新の電子機器により、単通路機として最高の収益性を実現している。

だが、MAX 10が737 MAXシリーズの課題を全て解決するわけではない。補助燃料タンクを使っても、MAX 10の最長航続距離は3700マイル(約5900キロメートル)、航続距離に優れたエアバス A321neo LRの4600マイル(約7400キロ)に及ばない。

とはいえ、737 MAX 10はボーイングにとっては、大きな成果となることは間違いない。

ボーイングによる737 MAX 10紹介ビデオは以下のとおり。

source:Boeing

[原文:Boeing just attacked Airbus' most dominant plane with $30 billion in orders

(翻訳:十河亜矢子)

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