Flickr/Europeana EU
プログラミングの世界で、激しく行われている論争がある。それは、プログラムコードの各行を字下げ(インデント)する際に、スペースを使うか、タブを使うかという論争だ。
これは冗談ではない。スペース派対タブ派の戦いは、まさに「永遠の聖戦」と呼ばれており、数々の熱い議論の的になっている。
議論の中心は、字下げした行をどう配置すると、整理された読みやすいプログラムコードを構成できるかという点だ。
スペース派とタブ派の対立が知られるようになったきっかけは、ケーブルテレビ局HBOのコメディドラマ『Silicon Valley』で、主人公リチャード・ヘンドリックス(Richard Hendricks)がエンジニアの彼女と別れてしまうシーンだ。彼女がスペース派で、リチャードがタブ派だったために悲劇は起きた。
これは研究のテーマにもなっている。例えばグーグルのある開発者が、10億ものプログラムファイルを分析し、どちらの方法がプログラマーから好まれているかを調べたことがある。結果は、スペース派の圧勝だった。
そして今回、スペース派はさらにリードを獲得しているようだ。開発者相互のQ&AサイトStack Overflowの分析によると、スペース派はタブ派に比べて、より高い収入を得ているというのだ。Stack Overflowは毎年、大規模な収入調査を実施している。今年は、アンケートの質問に、スペースかタブのどちらを使うかという項目を加えた。収入アンケートに参加した1万2000人のプログラマーから、回答が得られた。
Stack Overflowのデータサイエンス担当者デビッド・ロビンソン(David Robinson)氏の分析によると、スペース派のプログラマーは、同程度の経験を持つタブ派のプログラマーと比べて、平均で9%近く高い収入を得ていた。また、開発者をプログラミング言語、学歴、所属企業規模で分類した場合も、全てのカテゴリでスペース派の収入がタブ派の収入を上回っていた。
もちろん、スペースを使っているから収入が多くなるわけではない。上記のアンケートは相関性を示すものであり、原因を明らかにするものではない。スペース派の開発者がより高収入の仕事に就いているのには別の理由があるはずだが、その理由の手がかりは今回のデータからは得られなかった。
ただ今回の分析結果によって、スペース派がさらなる白星をあげたことは明らかだ。どちらの方法がより優れているかという議論は、まだまだ決着がつきそうにないが。
source:Flickr/Europeana EU
[原文:Programmers who use spaces in their code get paid more than those who use tabs]
(翻訳:忍足 亜輝)