スティーブ・ジョブズは会社のカフェテリアで、ランチをタダで食べていた。
Justin Sullivan/Getty Images
アップルの前iOS担当上級副社長スコット・フォーストール(Scott Forstall)は、スティーブ・ジョブズの親友でもあった。
ジョブズは、気難しい性格の持ち主として広く知られていた。しかし、同時に素晴らしいユーモアのセンスも持ち合わせていた。6月20日(現地時間)、カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピューター歴史博物館で行われたトークセッションで、フォーストールが明かした。
アップルの前iOS担当上級副社長スコット・フォーストール
Justin Sullivan/Getty Images
グーグルのように、従業員に食事を無料で提供するIT企業が多いシリコンバレーで、アップルはコーヒーから食事まで、カフェテリアでお金を取ることで知られている。
フォーストールによると、アップルのカフェテリアでの食事代はおよそ8ドル(約900円)で、決して高いわけではなかった。しかし、大富豪のCEOスティーブ・ジョブズは、お金を払わなくて済む方法を知っていたという。
フォーストールは、その時のエピソードを以下のように語っている。
ランチはいつもスティーブと一緒にカフェテリアに行っていたけど、彼はいつも僕の分までランチ代を払おうとするんだ。
8ドルのランチを買うには十分な給料を払ってくれているだろ、と言っても全然聞いてくれない。僕が1人でカフェテリアの列の後ろの方に並んでいると、スティーブは先に自分のランチを確保していても、僕を待って払ってくれるんだ。
その後、スティーブが社内システムを変更して、カフェテリアでの支払いは社員証で済ませて、後で給料から天引きされるようになった。
だから僕は、「先に席に行って、座ってて。君がそんな風に列の横で待っていたら、調理時間が長いメニューを頼みにくいから」と言ったんだ。
すると彼は「ダメダメ。これでいいんだよ。僕の給料は年に1ドル。この社員証でランチを買うたびに、誰かが払ってくれるんだから」って言うんだ。
スティーブは会社を騙して、ランチをタダで食べる大富豪だったんだよ!
この笑い話は、トークセッションでフォーストールが初めて明かした、ジョブズ時代のアップルのエピソードやiPhoneの開発秘話のうちの1つ。
トークセッションの動画は、アップル信者なら一見の価値があるだろう。フォーストールのセッションは1:07:00あたりから、ランチのエピソードは1:56:00から始まる。
(敬称略)
[原文:How Steve Jobs scammed Apple for free lunch (AAPL)]
(翻訳:Satoru Sasozaki)