ナイキが、ついにアマゾンで直販を開始する見込みだ。
Facebook/Nike
世界最大のスポーツウエアメーカーと世界最大のECサイトが、ついに手を組むようだ。
売り上げの減少に歯止めをかけるべく、ナイキは近日中に米アマゾンでの直接販売を開始すると見られる。ゴールドマン・サックスのアナリストが指摘した。
「我々の情報源によると、(ナイキは)近く、Amazon.comで商品の直接販売を開始するようだ」と同アナリストはレポートに記した。
ナイキにとって、アマゾンでの直販には明らかなメリットがある。ナイキのシューズ、アパレル、アクセサリーは既にアマゾンで販売されているが、それらは第三者の販売業者や、同社から製品を卸で仕入れた無認可業者によるものだ。ナイキは、製品をアマゾンで直接販売することで、中間業者を抜いて消費者に直接リーチし、価格とブランドイメージのコントロールを強化できる。厳密に言うと完全な直販ではないが、消費者との距離は現状より近くなる。
ゴールドマン・サックスは、アマゾンでの直販はゆくゆくは年間5億ドル(約555億円)の増収につながる見込みがあるとしている。これはナイキの世界売り上げの1%増を意味する。
ナイキ最大の競合相手であるアディダスとアンダーアーマーは、既にアマゾンでの直販を行っており、最新商品や人気製品を前面に押し出すスプラッシュページを設けている。今のところナイキはそのようなページを持っておらず、競合相手にアマゾン上でのリードを許している。
アマゾンでの直販により、ミレニアル世代のようなオンラインで頻繁に買い物をする若い消費者層にも直接リーチできる。米スポーツオーソリティ(Sports Authority)のような、近年次々と経営破たんした実店舗型のスポーツ用品小売業者に代わる役目も果たせるかもしれない。
ナイキ製品を扱う最大の小売業者Dick's Sporting GoodsやFoot Lockerの株価は、競争激化のニュースを受けて下落した。ロイターによると、Dick's Sporting Goodsの株価は18カ月ぶりの、Foot Lockerは3年ぶりの安値をつけた。
source: Facebook/Nike
(翻訳:Keitaro Imoto)