ウォルマートは取引先のテック企業にAWSから、他社サービスに乗り換えるよう要請している。
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ウォルマートは取引先のテック企業に、アマゾンのクラウドサービスの使用中止を求めている。
アマゾンは、AWS(アマゾンウェブサービス)によって、クラウドストレージとクラウドコンピューティングの分野でいち早くトップに立った。
これに対し、昨今EC分野に積極的な投資を行うウォルマートは、取引先のテック企業にAWSの使用を中止し、他社のサービスに乗り換えるよう要請したのだ。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
シナジーリサーチグループ(Synergy Research Group)によると、AWSはホスティングサービスの最大手で、マーケットシェアの44%を占める。
ウォルマートの広報担当者は、最大のライバル、アマゾンから自社の機密情報を守るため、取引先のテック企業に対し、アマゾン以外のサービスを利用するよう求めていることを認めた。
一方、アマゾンの広報担当者は、ウォール・ストリート・ジャーナルへの声明の中で、ウォルマートの戦術は、テック企業に対する「イジメ」のようなものだとした。
シナジーリサーチグループによると、AWSはホスティングサービスの最大手で、マーケットシェアの44%を占める。写真は2015年、サンフランシスコで開催されたAWSサミットに登壇したAWSのトップ、アンディー・ジャシー(Andy Jassy)氏
Matt Weinberger
この戦いは、ウォルマートとアマゾンの小売業の盟主を巡る争いが原因だ。
アマゾンのホールフーズ・マーケットの買収により、両社は食料品ビジネスで初めて直接対決することになる。同じようにウォルマートは、Jet.comやModcloth、BonobosなどのEC事業者を買収することで、アマゾンに対する競争力を急速に高めている。
Jet.comはアマゾンと食料を含む日用品の幅広い領域で直接競合しており、女性向けアパレルのModclothと男性向けアパレルのBonobosは、アマゾンがAmazon Fashion initiativeやPrime Wardrobeで取り組もうとしているミレニアル向けのファッションECと直接競合している。
ウォルマート自身は、主に自社データセンターを使用し、補完的にAWSの競合サービスを利用している。
source:Facebook/Walmart
[原文:IT'S WAR: Walmart is telling vendors to stop using Amazon's cloud]
(翻訳:梅本了平)