アップル、楽曲使用料の引き下げを要求 —— 音楽ストリーミング配信の勢い強まる

アメリカにおけるストリーミングラジオサービスの月間利用割合

アメリカにおけるストリーミングラジオサービスの月間利用割合(Edison Research & Triton Digital調べ、2017年1月~2月実施)。数値は調査実施前月のもの。

BI Intelligence

アップルは、Apple Musicの売り上げから音楽レーベルに支払う楽曲使用料のレートを、現行の58%から引き下げようとしている。ブルームバーグが報じた。

アップルは、従来の契約が間もなく期限切れとなるため、Apple Musicで配信される大半の楽曲の著作権を有するソニーミュージック、ワーナーミュージック、 ユニバーサルミュージックと現在交渉中だ。このニュースは、次の理由で重要だ。

  • これは、音楽を聴く主な方法がストリーミングに移行していることを示す。Apple Musicの成長を背景に、音楽レーベル側も一部条件の交渉に応じる構えだ。ただ関係者によると、交渉はアップルがApple Musicへの加入者を継続的に増やせるかどうかにかかってきそうだ。同様にスポティファイは、今後の成長の見込みを示した上でユニバーサルミュージックと交渉。今年4月、楽曲使用料を55%から52%に引き下げた。
  • 音楽レーベルに支払われる楽曲使用料の総額は、企業の最終的な収益に大きな影響を与える。例えば、スポティファイは今後2年間で音楽レーベルに20億ドル(約2220億円)を支払う。2016年、同社の年間売り上げの85%近くが楽曲使用料の支払いに消えた。Recodeが報じたスポティファイの粗利益がわずか5億200万ドル(約558億8000万円)であったことにも説明がつく。自社や競合スポティファイの収益に影響を及ぼしてきたこの領域で、アップルはコスト削減を狙っている。
  • ストリーミングは音楽業界全体の成長を促進している。2016年、音楽業界の売り上げの大部分を、初めてストリーミングサービスが占めた。売上高も全体で前年比11%増となり、ストリーミングサービスが大きく貢献した。

音楽ストリーミングを提供する企業は、自社のサービス規模とストリーミングサービスへの消費者シフトを、レーベルとの交渉材料として利用するだろう。2016年12月時点で、Apple Musicの登録者数は2000万人だった。この数は、スポティファイの有料会員数5000万人(2017年3月発表)より少ない。だが、Apple Musicとスポティファイはどちらも音楽レーベルのロイヤルティー収入源の大部分を占めるため、レーベル側が要求をはねつけることはますます難しくなっている。

[原文:Apple's latest move shows streaming is the main way we listen to music

(翻訳:一柳優心)

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