2016年の時点でレジ係の73%は女性だ。
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ロボットやAIによる仕事の自動化は、何百万人もの仕事を奪う。だがそのリスクは、人によって違う。
そして女性の方が男性よりも2倍、そのリスクが高いことが、Institute for Spatial Economic Analysis(ISEA)の最近の調査で明らかになった。
女性は、ロボットで代替されやすい職業に就いていることが多く、例えば自動化によって今後数年間で、97%がその仕事を失うと予測されているレジ係は、2016年時点で73%が女性だ。
しかし、自動化の普及で、特に影響を受けるグループは女性だけでないことも、ISEAの調査で明らかになった。
最新のロボットレストラン。レジ係もウエイターも不要。
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ヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人は、白人に比べて、自動化により仕事を失う可能性がそれぞれ25%、13%高い。一方で、アジア系は白人と比べ11%低い。
ISEAは、アメリカ労働統計局の2016年の雇用統計と、オックスフォード大学が行った「どの職種が自動化による影響を受けやすいか」という研究結果をもとに調査を行った。
同調査によると、最も大きな要因は、教育レベルだ。高卒資格を持たない人は、博士号を持っている人と比べて、自動化によって仕事を失うリスクが約6倍高い。あまり複雑ではなく、自動化が容易な仕事に就いていることが多いためだ。
調査は、AIやロボットは仕事を代替するが、新しいタイプの雇用を生み出すだろうとも強調している。しかし、新しいタイプの雇用が、AIやロボットの影響を最も受けやすいグループにとって稼ぎの良い仕事になるとは限らない。
「学校に通ったり、新たなキャリアに乗り出すという決断にはいろいろな事情が絡み、多くの要因の影響を受ける」とISEAのディレクター、ヨハネス・メニウス(Johannes Moenius)教授は語った。
「だが、異なるグループがどのような影響を受けるかを知ることは、重要なことだと考えている」
[原文:Women are twice as likely than men to lose their jobs to robots]
(翻訳:梅本了平)