ベーシックインカムって実際どうなの? 受け取った5人の証言

ベーシックインカムのイメージ

ベーシックインカムを受け取った5人

ベーシックインカムが注目を集めている。

分かりやすく言うと、生きているだけでお金がもらえるこの制度は、極めて直接的、かつ何らかの利害に左右されることなく富の不平等を減らし、人々を貧困から救い、人生の満足度を向上させるというアイデアから生まれた

ベーシックインカムは、フィンランド、アメリカ、ケニアなど数多くの国で検証実験が行われている。さらに多くの実験が今年中に開始される予定だ。

実際に現金の支給を受けた人たちの証言を聞いてみよう。

ニューオーリンズ在住のライター、スコット・サンテンス

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Scott Santens

スコット・サンテンス(Scott Santens)は、おそらく誰よりもベーシックインカムを支持している。2015年から、「Patreon」というクラウドファンディングサイトを通して月1000ドル(約11万円)の寄付金を受け取っている。

ベーシックインカムの最大のメリットは、新たな自由を手に入れることができたことだとサンテンスは語った。つまり、自分が楽しいと思える仕事に集中でき、さらに急な出費にも対応できるという安心感を得ることができた。また、お金にまつわる公的な信用の不均衡を是正することができるとサンテンスは述べた。

「ベーシックインカムは、信用が不均衡に分配されている現代のシステムに注目し、誰もが最低限の信用を与えられるべきだとするものだ。なぜなら、我々が今使っているシステム —— 紙幣で信用を測り、分配するシステムには致命的な欠陥があるからだ」とサンテンスはBusiness Insiderの取材に答えた。

ケニアの日雇い労働者、フィリップ

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GiveDirectly

その名の通り、GiveDirectlyは過去数年間にわたって、東アフリカの人たちに現金を送り続けている組織だ。昨年秋、GiveDirectlyはこの先12年をかけて、6000人にベーシックインカムを支給する、より大きな検証実験のトライアルを開始した。今年後半から本格的に開始される予定だ。

受給者の多くは教育をほとんど受けておらず、肉体労働に従事している。32歳のフィリップ(Philip)は、最初に99ドルを受け取り、その数カ月後に491ドルを受け取った。これはケニアのほとんどの人たちが、1年半をかけて働いて得られる金額よりも多い。フィリップは家を建てた。

「良い人生を送るという希望を失っていました。でも、もう二度と借家に住まなくて済む」とフィリップは語った

オランダのコピーライター、フランス・ケルバー

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Facebook

2015年7月から2016年7月にかけて、フランス・ケルバー(Frans Kerver)は月1100ドルを受け取っていた。このお金はベーシックインカムを支持する地元のグループ「MIES」から支給された。

ケルバーはベーシックインカムを受け取る前は、1日12時間、フリーランスのコピーライターとして働いていた。家族とゆっくり過ごすことはできなかった。お金に余裕ができたおかげで、ケルバーは仕事を減らし、妻や子どもと過ごす時間を増やすことができた。

「仕事を少し減らして、家族や友人と楽しい時間を過ごすことは良いことだ」とケルバーは昨年3月、Business Insiderの取材に答えている。「リフレッシュできる」

フィンランドの起業家、ユーハ・ハルビネン

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Juha Jarvinen/Facebook

今年の1月1日からフィンランドでは、2000人の失業者に対して毎月600ドルを2019年まで支給するというベーシックインカムの実験が始まった。ユーハ・ハルビネン(Juha Jarvinen)は、幸運な2000人のうちの1人だ。

「この実験に参加したかったから、選ばれたのは夢のようだ」と、37歳の起業家で、6人の子どもの父親でもあるハルビネンはFacebookのプロフィールに記した

「まだ信じられない」

ハルビネンは受給者の1人に選ばれる以前は、5年ほど失業していたと書いている。

会社が潰れても、事業主には失業保険が適応されない。ベーシックインカムによって手に入れた自由を活用して、できるだけ早く新しいビジネスを始めたいとハルビネンは語った。

ケニアの農家、レジーナ

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GiveDirectly

60歳のレジーナ(Regina)は当初、自分の生活環境を「ギュっと絞られているようだ」とGiveDirectlyのスタッフに説明した。お金が支給されるまでは、自分が大きな家に住むことができるとは想像もしなかったと述べた。

レジーナも、フィリップと同様に99ドルと491ドルが、数カ月間に支給された。最初のお金は子どもたちの学費と制服代に。2回目のお金は生活環境のアップグレードに費やされた。

「とっても幸せ」とレジーナは語った。

(敬称略)

[原文:5 people from around the world share what it's like to get free 'basic income'

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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