配達時間は最短5分! ロボットとAIが焼き上げるピザが大手チェーンに競合

ピザを運ぶロボットの写真

果たしてピザの味は、利用している技術ほど優れているのだろうか?

Melia Robinson

ロボットは将来、私たちの仕事の大半を奪うかもしれない。しかし、少なくとも手土産にピザを持ってくるだけの礼儀はあるようだ。

2015年に創業したZume Pizza(ズーム・ピザ)は、ロボット工学と人工知能(AI)を駆使して、従来よりも素早くピザを焼き上げる。

このスタートアップは昨秋、一般向けに販売を開始して以来、シリコンバレー内で配達地域を拡大。提携したレストランなどの料理を指定場所に届ける宅配サービス「ウーバー・イーツ」の元幹部や、人間の5倍の速度で完璧なピザ生地を作るロボットなどの新たなメンバーを仲間に加えている。

最近では、ドミノ・ピザやピザハットなどの既存大手ブランドから、新しいファストカジュアルなデリバリーチェーン店に乗り換えるピザ好きな消費者が増えつつある。

Business Insiderは、カリフォルニア州マウンテンビューにあるZume Pizzaの本部を見学してきた。果たしてピザの味は、利用している技術ほど優れているのだろうか?


これは、ごくありふれた「ピザ」ではない。ロボットによって作られた「ピザ」だ。

Zume Pizzaのピザ

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ロボットを活用したピザデリバリーサービスのコンセプトは、共同創業者で友人同士のジュリア・コリンズ(Julia Collins)氏とアレックス・ガーデン(Alex Garden)氏が、質の高いピザをもっと手頃に提供したいと考えたところから始まった。

ピザを持つ女性の写真

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コリンズ氏は、スタンフォードのビジネススクールを卒業後、ニューヨーク発のハンバーガーチェーン、シェイク・シャックの創業者ダニー・メイヤー(Danny Meyer)氏の元でアナリストとして働き、その後ファストカジュアルチェーン「Mexicue(メキシキュー)」の立ち上げに携わった。コリンズ氏は、ビジネス成功のカギを、合成化学物質ではなく、テクノロジーに見出した。

テクノロジーを駆使した機械

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キッチンを自動化することで、Zume Pizzaは迅速かつ正確に注文に対応することができる。宅配時間も5~20分短縮された。店頭販売はせず、配達のみだ。

焼く前のサラミとチーズのピザ生地

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このロボット製のピザは、米ケーブルテレビ局HBOのドラマ『シリコンバレー』(原題『Silicon Valley』)の第4シーズンにも一瞬登場している。

Zume Pizzaがドラマに登場したシーン

HBO/"Silicon Valley" and Skye Gould/Business Insider

Zume Pizza本部の奥の部屋では、1時間で372枚のピザを作ることができる。レストランのキッチンというより、製造工場のようだ。

キッチン内にあるピザを製造する機械

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ソーシャルゲーム大手ジンガ(Zynga)の元幹部であるコリンズ氏とガーデン氏は、スイスの産業用ロボットメーカーABB Roboticsの協力のもと、この複雑に入り組んだ装置を開発した。

複雑に入り組んだ機械の写真

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ピザの注文は、オンラインもしくは専用モバイルアプリからできる。注文が入ると、ソフトウエアアルゴリズムが自動化されたピザ製造用コンベヤーベルトに指示を送る。

注文を表示している画面

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Zume Pizzaでは、ピザ生地に軽くてふわっとした食感を持たせるため、生地を48時間発酵させている。私たちが昨年9月に訪れた際は、ピザ生地は人の手で成形されていたが、今はそれも必要ない。

生地をこねる男性

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新しく仲間入りした「Doughbot(生地ロボット)」は、どんな生地でも9秒で成形できる。

ピザ生地はコンベヤーベルトで運ばれ、ジョルジオ(Georgio)とペペ(Pepe)と名付けられた2つのソース・ディスペンサーのどちらかの下で止まり、注文通りの量のソースがかけられる。ちなみに、このソースは地元で育ったトマトから作られたものだ。

ソースディスペンサー

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ピザ生地は、その後マルタ(Marta)と呼ばれるクモの足のようなアームを持つ機械の下に運ばれる。そこで、先ほどかけられたソースがまんべんなく塗られる。作業時間は数秒だ。

数秒でソースを伸ばす機械

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そして、人間がチーズやその他のトッピングを盛り付ける。この工程はトッピングの種類によって重さやサイズ、質感が異なることから、自動化が難しい。

チーズを振りかけている

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コンベヤーベルトの終点には、背が高くひょろっとしたヴィンセンゾ(Vincenzo)という名のロボットが待っている。ピザ生地を専用の網の上に乗せ、オーブンまで持ち上げる。

ピザをオーブンまで持ち上げる機械の写真

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ピザは約427度のオーブンで1分ほど焼かれる。ピザ生地に含まれる空気は膨張した後、放出され、生地に弾力性が生まれる。

ピザを焼く機械

熱々でパリパリなピザがオーブンの反対側から出てくる。

焼きあがったピザ

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焼きあがったピザは、人間の手でZume Pizzaが特許を持つ自動洗浄機能付きのピザスライサーの下へ移され、均等に8つにカットされる。1ピースは、約180カロリー。

ピザスライサー

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直径14インチ(約35.6センチメートル)のピザの価格は、配達料込みで10~20ドル(約1100~2300円)。ドミノピザと比べると、チーズピザのラージサイズが同じく直径14インチで、価格は15ドル99セント。トッピングを足すごとに価格は上がる。その上、1ドル50セント~3ドルの配達手数料がかかり、チップを渡すことも推奨されている。

Zume Pizzaのウェブサイトには「私たちのビジネスには、チップは不要です。表示価格はサービス料を含みます」と記載されている。

ピザを宅配用ボックスに入れるのは人間の仕事だ。この宅配用ボックスは、従来のものとは一味違う。持続可能農法で栽培されたサトウキビの繊維で作られているので、リサイクルや堆肥化が可能だ。

サトウキビ繊維を利用した宅配用ボックス

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宅配用ボックスの底は、線状に隆起していて、中心部にはくぼみがある。水分がそこへたまるようになっているため、配達中にピザがふやけるのを防ぐことができる。

宅配用ボックスの底

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2016年9月、Zume Pizzaは新しいタイプの宅配車両をデビューさせた。

配達車両

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この宅配車両には、56台のオーブンが設置できる。Zume pizzaのキッチンから12分以上かかる配達先から注文があった場合、ピザは配達用の箱ではなく、途中まで調理した状態でオーブンに積み込まれる。

配達車両のオーブン

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12分圏内の配達には、車もしくはスクーターが使用される。

宅配車両が目的地に近づくにつれ、ソフトウエアアルゴリズムからピザの入っているオーブンに、追加で3分半加熱する指示が飛ぶ。駐車後、ドライバーはピザをオーブンから取り出し、Zume Pizzaオリジナルのスライサーを使って切り分け、玄関まで運ぶ。

車両内のオーブンで加熱されたピザ

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サービスを昨秋に開始して以来、Zume Pizzaは有益な顧客データを収集することができたとコリンズ氏は言う。「客が注文をする前に、どのピザを注文したいのかを予測できる」

コリンズ氏によると、顧客は同じ曜日の同じような時間帯に、同じ配達先に注文をする傾向がある。ピザの注文は、習慣になっているようだ。

同社はどのエリアであろうと、注文の頻度を予測することができる。同社はこの予測を活用し、注文が入る前に顧客がオーダーすると予測されるピザを積み込み、トラックを送り出す。この技術は効率を上げると同時に、注文が入ってから最短5分で配達することを可能にした。

人気の「エル・カミーノ」を食べてみることにした。トッピングは、モッツァレラチーズ、ペパロニ、クレミニマッシュルーム(小さな茶色のマッシュルーム)、 ポブラノ・ペッパー(マイルドなトウガラシ)。価格は15ドル(約1700円)。

Zume Pizzaのピザ

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ピザ生地は薄すぎた。スライスが自重によって垂れ下がってしまったのは残念だった。生地の味はトッピングの味に埋もれてしまっていた。

1ピースのピザ

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一方で、トッピングは素晴らしかった。薄くスライスされたペパロニは、ひと噛みするごとにパリパリと音を立て、マッシュルームとペッパーはジューシーさであふれていた。極めつけに、チーズはまるで風船ガムのように伸びた。

Zume Pizzaのピザ

Melia Robinson

レシピは完璧ではなかった。しかし、ドミノ・ピザよりも安い上に、20分以内にこの良質なピザが配達されることを考えると、Zume Pizzaはいずれピザ業界のトップに肩を並べるかもしれない。

オーブンまで運ばれるピザ

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[原文:This robot-made pizza in Silicon Valley should terrify Domino's and Pizza Hut

(翻訳:Yuta Machida)

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