感染症、災害、大寒波……気候変動で激変する今世紀末のアメリカの姿

プールで泳ぐ人々

Mario Tama/Getty Images

「最近やけに暑くなったね」

そう言って済ませてはいられない。温暖化は進む一方だ

しかし、我々が今後数十年間で直面する問題は、猛暑だけではない。

海面上昇、ハリケーンや山火事の頻発、外来種の昆虫の増加が、既にアメリカのあり方を変え始めている

地球の未来の姿を見てみよう。


海水温が上がると、北極海の氷が解け出し、海面が上昇、洪水が起きる頻度が高まる。また、気温の上昇も、氷山や氷床などの陸氷を溶かす。

世界中の氷が解けた場合のアメリカの海岸線の変化を表すマップ

National Geographic

出典:"IPCC Fourth Assessment Report: Climate Change 2007," NASA

夏は厳しさを増す。気候変動のせいで夏自体が長くなり、気温もより高くなる。2050年代までに、ニューヨーク市では熱波が年に7回観測されるようになり、最高気温は摂氏32度を超える日が約2カ月続く可能性がある。これは現在の約2倍だ。

汗を流す男性

Michael Dodge/Getty Images

出典:"Shifting Cities" by Climate Central, Annals of the New York Academy of Sciences

気候変動により気温が上昇すると、アメリカ西部で山火事の発生する時期が早まる。火事は長期化し、延焼が広がる。

山火事で燃える家

Justin Sullivan/Getty Images

出典:National Wildlife Federation

温暖化により昆虫も繁殖する。平均気温が上がるにつれて、ハチや蚊がより長く飛び回るようになる。

スズメバチの仲間

Patrick Hofer/Flickr

出典:"National Climate Assessment"

アメリカ東海岸では、ヒトスジシマカの生息域が今世紀末までに33%拡大すると予測されている。

ヒトスジシマカ分布域の拡大(現在、2020年代、2050年代、2080年代)

PLOS One

出典:PLOS One

気温が上がると、熱帯地域特有の病気が広まりやすくなる。蚊や寄生虫が新たな地域に移動し、マラリアやデング熱などの危険な病を媒介する。

入院中の患者たち

Paula Bronstein/Getty Images

出典:Time

温暖化により、リンゴや蜂蜜、サケなどの食料が不足。猛暑によるストレスは、牛をはじめとする家畜にも影響を与える。

牛の鼻のアップ

Getty Images/David Silverman

出典:New York State climate-change report (ClimAID)

花粉症も深刻になる。気温が上がるとアレルギー物質が増加、飛散期間も延びる。また、気候変動の主な原因である二酸化炭素により、植物の成長が速まり、花粉の量が増加、アレルギーの誘発性も増す。

花壇の前で鼻をかむ男性

REUTERS/Lucas Jackson

出典:"Extreme Allergies and Climate Change"

砂浜は文字通り、洗い流されてしまう。ニューヨーク市の報告書によると、ブルックリンのコニー・アイランド、クイーンズのロックアウェイ・ビーチ、スタテン・アイランドのサウス・ショアでは100%の確率で長期的な海岸浸食が起こるという。

なぎ倒された柵

Getty Images/Spencer Platt

出典:New York City Hazard Mitigation Plan

最終的には、ニューヨーク市全体が水没する。海面は既に19世紀半ばに比べて1.5フィート(約0.5m)近く上昇していて、その結果、マンハッタンでは大波が防波堤を超える危険性が、170年前に比べ20倍以上に。

防波堤に押し寄せる波

Getty Images/Andrew Burton

出典:"Increasing Storm Tides In New York Harbor, 1844-2013," Geophysical Research Letters, May 2014

海面上昇は交通システムにとっても大きなリスクだ。ジョン・F・ケネディ国際空港とラガーディア空港の一部は海抜2~6フィート(約0.6~1.8m)にあり、荒天により引き起こされる洪水はそれを上回る。2012年のハリケーン・サンディにより、潮位は14フィート(約4.2m)に達した。

2020年代と2050年代の冠水予想マップ

FEMA/CUNY

出典:"Increasing Storm Tides In New York Harbor, 1844-2013," Geophysical Research Letters, May 2014

ハリケーン・サンディのような災害が繰り返し発生する。祖父母の時代には人生で1回きりだったサンディ級のハリケーンが、私たちの孫の時代には少なくとも20回起きる。

崩壊した家屋

Getty Images/Spencer Platt

出典:National Oceanic and Atmospheric Administration

西海岸の都市も同様のリスクに直面する。22世紀にかけて海面が4.6フィート(約1.4 m)上昇すると、カリフォルニア州で「100年に1度」規模の洪水に見舞われる人は2倍近く増え、48万人になるという予測がある。

駐車禁止の看板が水面下に沈んでいる様子

Joe Raedle/Getty

出典:"National Climate Assessment"

気候変動により、あらゆる天候が極端になる。熱波はより厳しい暑さをもたらし、雨は強まる。冬の嵐は頻度が増え、より激しくなる。極端な天候は大規模停電の一因となり、アメリカ国内では停電が頻発する。

停電した街

Getty Images/Allison Joyce

出典:Time

冬も気候変動の影響を免れない。強烈な大寒波が毎年のように発生。ニューヨーク市を見舞う雨や雪は、今後10年で約5%、今世紀半ばまでに約7%、2080年代までに約9%増えるだろう。

11月における北極海の氷の月間平均表面積(1978年~2013年)

NASA

出典: "Weakening of the Stratospheric Polar Vortex by Sea-Ice Loss," Nature, January 2014

こうした気候変動の影響で、既に地球全体で何万人もの人々が住み慣れた家を離れることを余儀なくされている。国連は、このままのペースでいくと、2050年までに2億5000万人以上が同じ運命をたどると見ている。

夕焼け

REUTERS/Erik De Castro

出典:United Nations

未来の地球の姿は、これまでと全く異なるものになるだろう。

宇宙から見た地球

NASA

写真・画像: Patrick Hofer/FlickrPLOS One 、 FEMA/CUNY 、

[原文:The US will be unrecognizable by the end of this century

(翻訳:Ito Yasuko)

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