米ウエスタンユニオンの海外送金アプリが上陸へ。狙う日本“移民”市場

創業165年の歴史を持ち、海外送金サービス世界大手のウエスタンユニオンは、スマートフォンに対応する日本版アプリを始める。国内における外国人労働者と、海外に移転する日本人の増加を背景に、拡大する海外送金の需要を捉える。

ウエスタンユニオンは現在、海外送金アプリの日本版導入に向けて、関係各所と協議を進めている。利用拡大を図るため、国内で複数の提携先候補との協議も同時に始めた。今後1年以内の導入を目指す。コロラド州イングルウッドに本社を置く同社のグローバル・マネートランスファー部門社長、オディロン・アルメイダ(Odilon Almeida)氏が6月29日、BUSINESS INSIDER JAPANとのインタビューで明らかにした。

ウエスタンユニオンの海外送金アプリ

米国版アプリによる送金は、ユーザーの銀行口座、アップルペイ(Apple Pay)、またはクレジットカードやデビットカードを選択できる。

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来日中のアルメイダ氏は、「今後、日本には多くの移民が入ってくるだろう。我々は過去に、移民たちが国に富と成長をもたらしてきたことを経験している」とした上で、「私は日本市場の今後5年、10年、20年の成長に対して、とてもオプティミスティックに考えている」と話した。過去7年間、日本の外国人労働者の数は6割以上増加し、2016年に100万人を超えた。

ウエスタンユニオンの海外送金アプリ

ウエスタンユニオンの海外送金アプリは現在、アメリカやイギリス、香港などで使用されている。ユーザーは200の国と地域へ送金が可能だ。

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ウエスタンユニオンのオムニチャンネル・アプリは現在、アメリカやイギリス、香港などで使用されており、ユーザーは約200の国と地域への送金が可能だ。米国版アプリによる送金は、ユーザーの銀行口座、アップルペイ(Apple Pay)、またはクレジットカードやデビットカードを選択できる。一方、受け取り方法は、相手側の銀行口座か所定の場所での現金受取を指定できる仕組みだ。

ウエスタンユニオンは日本における海外送金総額を開示していないが、送金アプリの導入により、同総額は2倍以上に拡大すると強気だ。日本市場における競合について、アルメイダ氏は2つをあげる。

「当然、1つ目のコンペティターは銀行だ」とアルメイダ氏。しかし、「個人が仕送りする際の、例えば 5,000ドル程度の海外送金は、銀行にとっては面倒な取引だろう」と加えた。もう1つの競争相手は意外にも「手紙」だという。多くの移民たちは依然として、母国の家族への送金を行う手段として封書を使用すると、同氏は話す。

「我々のリサーチで分かったのだが、手紙で現金を送る移民はまだまだ多くいる。時にそれは紛失し、盗まれ、そして最悪の場合、資金洗浄(マネーロンダリング)につながる。我々が一市場に参入すれば、こういった慣習は減っていく。そして、多くの金の流れを追跡可能な取引へと導いていく」

世界からキャッシュは消えるのか?

オディロン・アルメイダ

「キャッシュがなくなることはなく、むしろ増加を続ける」と話すウエスタンユニオン・グローバル・マネートランスファー部門社長オディロン・アルメイダ氏。

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キャッシュレス化は著しく速いペースで進んでいる。アメリカでは、多くの大学生が送金アプリ「Venmo」を利用している。例えば、レストランでディナーの料金を一人がクレジットカードで支払い、同席した友人たちは「Venmo」を使って、支払った友人に送金できる。日本でも、友だち同士が外食などの割り勘料金を、「LINE Pay」を使って送金するユーザーが増加傾向にある。

しかし、アルメイダ氏はキャッシュがなくなることはなく、むしろ増加を続けると語る。

「可処分所得を保有していない場合、人は所得の全てを使い切るだろう。彼らは現金を好み、プリペイドカードの利用を避ける傾向にある。可処分所得を持たない人口は、世界で多く存在し続けるだろう」とアルメイダ氏は言う。

「デジタル化の波は勢いを増しているが、キャッシュはその重要な役割を続けていくだろう。少なくとも今後、20年くらいは。100年後?それは、私にもわからない」

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