ファーウェイが千葉に作るのは「工場」ではない —— 新設するのは特殊な研究施設だ

ファーウェイ

Carsten Koall/Getty Images

ファーウェイが千葉に大型工場を新設し、年内にも日本生産に乗り出す——6月29日に一部報道が伝えたが、新設するのは「工場」ではなかった。ファーウェイ広報がBUSINESS INSIDERの取材に答えたところによれば、現時点の最新情報は以下のとおりだ。

  • ファーウェイが千葉に施設をつくるのは事実。実際にDMG森精機の工場跡地の用地は取得完了しており、既にファーウェイの管轄になっている。
  • 千葉の新施設が関係するのは「通信設備や関連機器」ということも事実。
  • しかし、新設する施設は「工場」ではない。品質をさらに向上させるための"製造プロセス"をパートナー企業とともに研究するための「製造プロセス研究ラボ」であり、「R&D施設」。
  • このR&D施設で培った製造プロセスの技術は、日本向け限定ではなく、世界市場に向けて出荷する通信設備や関連機器に生かされる。
  • ただし、どのような形で取り入れられるのかは、現時点では申し上げる段階にない。

ファーウェイによれば、同社は日本を販売と研究開発、調達の3つの役割を担う重要拠点と位置付けてきた。これまでも横浜にある日本の研究所を通じてサプライヤー各社との関係構築・部品調達を実施してきたが、今回のラボの新設は、さらに一歩前進し、取り組みを次の段階に推し進めるものだと説明する。

なお、ファーウェイは2016年、日本企業から32.7億ドル(約3691億円)相当の部品を調達している。ファーウェイ・ジャパンの公式声明は以下のとおり。

ファーウェイは2017年、千葉県船橋市に「製造プロセス研究ラボ」を設立します。日本のサプライヤーやパートナーと協力し、ファーウェイ製品に使用される一部部品の製造プロセス技術に関する研究や試験、試作に取り組み、その成果をサプライヤー・パートナー各社による製造に活かしていただくことを目的としています。本ラボでは2017年末までに数十名の従業員を採用する予定です。

ファーウェイは日本の先進的な製造技術、品質管理システム、品質を極めるものづくりの心に学ぶため、本ラボの設立を決めました。今後日本で培っていくこうした知見を、日本のサプライヤー・パートナーとの協業を通じてファーウェイのグローバル・バリューチェーンに活用しながら高品質な製品を開発し、ファーウェイの全世界のお客様に優れた通信設備とサービスを提供していきます。

グローバル企業であるファーウェイは、常に社内リソースの配分をグローバル規模で行い、戦略的リソースが集約されている場所でコンピテンシーを構築しています。

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