マイクロソフト、大幅な営業組織再編へ —— ソフトウエアからクラウドへシフト

サティア・ナデラ氏

人員削減の規模はあまり大きくないとみる人もいる。

Microsoft

マイクロソフトは、営業組織全般を再編し、急成長しているクラウドコンピューティングビジネスにより注力する。7月3日朝(現地時間)、従業員に送られた社内メモから明らかになった。

多くの従業員は、再編に伴い人員削減が行われると考えている。ただし、公式には何も発表されていない。人員削減の規模はあまり大きくないとみる人もいる。

匿名チャットアプリBlindによると、同社内部ではレイオフがあるにせよ、再編は、正しい方向に進むためのものだと受け止められているようだ。

組織再編は先週、ブルームバーグなど複数のメディアが報じていた。テッククランチ数千人規模の人員削減の可能性を報じた一方で、GeekWireは、社内メモは人員削減に全く触れていないと指摘した。

「マイクロソフトは改革を進め、顧客とパートナーにより良いサービスを提供していく」と同社広報担当者は語った。再編に伴う人員削減についてはコメントを拒否した。

再編の狙いは、クラウドサービスのセールス拡大にあると見られる。同社のクラウドサービスは急成長しており、売上高は152億ドル(約1兆7000億円)に達する。同社にとって、従来のソフトウエアビジネスは依然として大きな規模を誇るが、売り上げはクラウドビジネスの成長に押されて減少してきている。

同社は営業組織再編にあたり、大企業担当部署と、同社がSMCと呼ぶ中小企業担当部署に焦点を当てていると、GeekWireは伝えた。

再編は、クラウドサービスの売り上げが芳しくないことを反映しているわけではない。むしろポイントは、クラウドサービスのセールスコストの削減にある。従業員1人あたりのクラウドの売り上げは、同社の計画に達していないと、事情に詳しい関係者が語った。

再編により、法人向けのセールスチームはソフトウエアとサービスのセールスを、6つの業界に向けて展開していく。教育、行政、小売、ヘルスケア、製造、金融だ。社内メモによると同社は、製品ごとではなく、業界ごとに特化したセールスを行うことで、顧客固有のニーズにきめ細かく対応したクラウドサービスをセールスできると考えている。

さらに社内メモは、この再編により新しいチームが結成され、既存チームの組み替えが行われるとした。マイクロソフトは従業員に対し、業務変更などの詳細は近日中に発表すると伝えた。

3日、従業員たちは、再編の詳細や人員削減があるかないかに戦々恐々としていた。

マイクロソフトの会計年度は6月30日締めであり、同社はこれまでにも、7月初めに組織再編や人員削減を発表している。

[原文:Microsoft is undergoing another huge reorganization to sell more cloud subscriptions and less software

(翻訳:Tomoko A.)

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