ロボアドバイザーを運営する13社が7日、東京・大手町に集まった。
Business Insider Japan
アルゴリズムを使って資産運用の助言を行うロボアドバイザー(ロボアド) —— 国内では17社程度が現在までに、このサービスを始めている。
国内のロボアド13社は7月7日、東京・大手町に集まり、約1800兆円にまで膨れ上がった家計金融資産を誇る日本の「貯蓄から投資へ」の流れをロボアドに引き込もうと、各社が提供するサービスを披露した。
ロボアドバイザーのスタートアップで、ウェルスナビCEOの柴山和久氏は、「ロボアドが運用する日本の資産残高は、2020年までに5兆円程度に拡大するだろう。その頃にウェルスナビの運用資産を1兆円規模にしたい」と語った。
7月7日、報道機関向けのイベントでウェルスナビのサービスを説明するCEOの柴山和久氏。
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ウェルスナビのロボアドを利用している柴山氏は、口座の残高を示すページをスマートフォンに表示しながら、同社のサービスについて説明。「自分のお金の管理はAI(人工知能)に任せる時代がきっと来ると思います」と話した。
また、「日本市場でロボアドの利用者が増加すれば、既存の金融機関は自前のロボアドを積極的に活用するだろう」と、業界が成熟するにつれ、金融機関やスタートアップのパートナーシップが進むとの考えを示した。
10年先を走るアメリカ
一方、ロボアド発祥の地・アメリカは、この業界の成長と変化のペースを速め、日本のはるか先を走っている。
みずほ銀行・個人コンサルティング推進部の東 愛里紗氏。
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アメリカでは、10年以上前に数々のロボアド・スタートアップが生まれ、顧客の数を増やしてきた。巨大な資産を運用する老舗の金融大手も早くから導入し、伸びる市場でのシェア争いを続けてきた。大手資産運用会社がベンチャー企業を買収するなど、業界再編の動きも始まっている。
日本のGDPに等しい500兆円規模の資産を運用するブラックロック(BlackRock)は2年前、独立系のフューチャー・アドバイザー(FutureAdvisor)を買収している。ロボアドに力を入れるライバルのバンガードやチャールズ・シュワブとの競争に打ち勝つ一手だ。
新規参入企業も攻めの姿勢を変えない。2008年創業のスタートアップ、Betterment(ベターメント)は昨年、その運用資産を独立系では初の50億ドルの大台に乗せた。Bettermentは、ゴールドマン・サックスやクレディ・スイス・グループでの経験を持つベテラン、エイミー・シャペロ(Amy Shapero)氏をCFOとして迎え入れ、さらなる拡大を狙う。
A.T. カーニー(A.T. Kearney)がまとめたレポートによると、アメリカでは2020年までに運用資産の5.6%をロボアドバイザーが運用すると予測。35歳以下で、比較的若い投資家は、ロボアドを積極的に活用する傾向にあり、高齢者による利用の増加は期待できないだろうと、同レポートは述べている。
国内のロボアド企業が7日に共同開催したメディア説明会に参加した企業は、以下の通り。
- ウェルスナビ
- エイト証券
- お金のデザイン
- カブドットコム証券
- 財産ネット
- 松井証券
- マネックス証券
- マネックス・セゾン・バンガード投資顧問
- みずほ銀行
- 三菱UFJ国際投資株式会社
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 楽天証券
- ロボット投信
(出所:ロボアドバイザー合同記者レク実行員会)