cafeglobeより転載(2017年6月28日公開の記事)
新しい知識や技術を身につけるなどのスキルアップも大切ですが、何といっても一番ビジネスで役に立つのは、"メンタル・タフネス(心の強さ)"。
どんな業種でも必ず求められるメンタル・タフネスを手に入れるためには、どうすればいいのでしょうか。
心身ともに強靭なことで知られるアメリカ海軍特殊部隊SEALs(ネイビーシールズ)のメンタル管理術をご紹介します。
地獄の訓練、脱落者は8割!
SEALsとは、アメリカ海軍の兵士の中から、厳しい基準により選び抜かれた特殊部隊です。名称は、"Sea(海)"、"Air(空)"、"Land(陸)"の頭文字に由来し、陸海空すべての作戦を実行できます。
選抜訓練の内容がとても厳しいなことで有名。数時間しか睡眠がとれない状態でひたすら砂浜を走ったり、波に打たれたり......。とくに、"Hell Week(ヘル・ウィーク)"と呼ばれる極めて過酷な訓練期間中には、約8割もの候補者が脱落してしまうと言われています。
小さな目標を設定する
SEALsの強靭なメンタルを手に入れたいのはやまやまだけど、あんな恐ろしい訓練をするのはちょっと......と気が引ける方が多いでしょう。
しかし、元米軍特殊部隊員で、現在はメンタル・ヘルスケアの分野で起業家として活躍しているロナルド・フライ氏によると、軍隊に入らなくともメンタルをある程度鍛えることができるそうです。
その方法のひとつは、"いつも小さな目標を設定する"こと。
目標を設定し、少しだけ自分自身に厳しくしながら努力し続け、小さな勝利を積み上げていけば、誰でもメンタルの強さを鍛えることができます。メンタルが強い人は、(比喩的に言えば)雨の中でも常に喜んで丘を登ります。なぜなら、丘の頂上にたどり着くことこそが自分へのご褒美だと分かっているからです。
「QUARTZ」より翻訳引用
フライ氏の考えるメンタル・タフネスとは、"立ち直る力"。落ち込むことは誰にでもありますが、何か目標があれば立ち直りやすいかもしれません。
短期間かつ難しすぎないゴールを常に設定しておけば、頻繁に達成感と誇らしさを味わうことができそう。
苦しいときには視点を変える
苦しい状況が続いて心が折れそうなときは、別の側面から状況を"再評価"してみるのも有効なのだそうです。
ライターのエリック・バーカー氏が、海軍SEALsや陸軍レンジャーなどの隊員から教えてもらったという方法は、"視点を変える"ということ。
一番大事なのは、一言でいうと"再評価"。つまり、物事の見方を変えるということです。(中略)彼らが全員口をそろえて言っていたのですが、不可能に見えるほど過酷な訓練を、ゲームだと思い込むことで乗り越えられたのだそうです。
「Inc」より翻訳引用
あこがれの人を心に抱く
素敵な人、偉大な人を見たときに感じる憧れの気持ちも、じつはメンタル強化に繋げることができるそう。
同じく退役軍人で、現在『Mental Toughness Training Center(メンタル・タフネス・トレーニング・センター)』のCEOを務めるアンドリュー・ワットマン氏のアドバイスのひとつが、"自分にとってのヒーローをもつ"ということ。
(大きな目標を達成するのが)難しいと感じる理由は、それを達成するまでは、本当に実現可能なことなのか心の底から確信が持てないからです。(中略)すでに同種の成功を収めているロールモデルやヒーローを選んで心に抱きましょう。そうすれば、自分にだってできるはずだと信じやすくなるでしょう。(ヒーローによって)すでに達成されていることですから。他の人間にできることなら、自分もできるはずだということです。
「Inc」より翻訳引用
困ったことや不安なことがあったとき、「憧れのあの人ならどうするだろう」と考える習慣を身につければ、自分の心を励ますことができそうです。
時代の移り変わりに伴って、求められる知識やスキルも変化します。しかし、メンタル・タフネスはどんな業種でも必ず重宝される、すべての基礎となるもの。
上記の方法で強化すれば、仕事力を底上げできるかもしれません。
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