REDはプロ向けのハイエンド・デジタルカメラメーカー。『トランスフォーマー/最後の騎士王』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』『オデッセイ』などの大ヒット映画の撮影に使われている。
そのREDが、Androidスマホに参入する。7月6日(現地時間)、同社は「ハイドロゲン・ワン(Hydrogen One)」を2018年初めにリリースすると発表した。
RED
ハイドロゲン・ワンは、5.7インチの「ハイドロゲン・ホログラフィック・ディスプレイ」を搭載。解像度は不明だが、同社は裸眼で3Dホログラフィックコンテンツが楽しめるとしている。ただし、従来の3Dコンテンツとの違いなど、詳細は明らかにしていない。
またハイドロゲン・ワンはモジュラー方式のカメラユニットを採用、ユーザーはさまざまなカメラユニットを交換することで、「高品質な動画撮影や静止画撮影」が可能だ。もちろん、RED独自のホログラフィックビデオフォーマット「HYDROGEN」で3Dホログラフィックコンテンツの撮影も可能だ。ただし、これらのモジュラーユニットは、リリース時には間に合わない見込み。
音質も重要視しており、ホログラフィックコンテンツに最適な「マルチディメンショナル(multidimensional)」オーディオ向けに独自の音声フォーマットを採用。音声は「5.1chのヘッドフォンを思い受かべてみてほしい」とREDのマーケティング担当者は語った。唯一の実機画像を見た限りでは、ヘッドフォンジャックもあるようだ。
REDの「WEAPON 8K S35」。本体価格は5万ドル、レンズ、バッテリー、ストレージユニット、ファインダーなどを含めると7万ドルを超える。
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同社の「Scarlet」「Epic」「Weapon」などのカメラを持っていれば、ハイドロゲン・ワンで操作可能になる。ハイドロゲン・ワンは2モデルあり、アルミニウムモデルが1200ドル、チタンモデルが1600ドルだ。
詳細な仕様についてはほとんど明らかになっていない。だが価格から考えれば、最新の強力なプロセッサはもちろん、同社自慢の3Dホログラフィックコンテンツを処理できる大容量RAMが搭載されるだろう。でなければ、これほどの高価格での販売は難しい。
出荷は2018年第1四半期の見込み。同社がiPhone 7やGalaxy S8などの従来のスマホのカメラに対抗して、映画的な特徴を取り入れて、どのようなカメラ機能を実現するのか楽しみだ。
[原文:A company that makes $70,000 cameras for filming blockbuster movies is making a $1,200 smartphone]
(翻訳:本田直子)