良いアイデアが、ふとした会話の中から生まれた経験は誰しもあるハズ。良い"思いつき"の偶然的な組み合わせと、思いつきが組み合わさった玉石混交の"アイデア"を整理していく過程を、複数人で意図的に取り組むのがブレインストーミング(ブレスト)だ。
ブレストの効能は誰しも認めるところだが、自分ひとりの時にも、同じような"発想力のブースト"をする方法があれば心強い。今回は、iPhoneでアイデアの"発想力"を手助けするアプリ4選を紹介。
1. AMZN Mobile LLC「Kindle:人気の小説やマンガ、雑誌が読める電子書籍リーダー」
Kindle Unlimitedに加入していると、読み放題対象書籍にはこんな形で表示される。資料の引用が多い人にも便利だ。
すでに利用者も多いAmazonの「Kindle Unlimited」は、月間980円で16万冊が読み放題になる電子書籍サービス。Unlimitedに限らずKindleが素晴らしいのは、大切だと感じたところに線を引いたり、一覧で見られたりするところ。電子書籍ならではの「読書機能」は、アイデア出しにも活用できる。
ユニークな機能としては、「本の骨組み」を表示するKindleの「X-Ray」という機能。登場人物や、単語についての解説をリストで見ることができるので、読んだ後の振り返りや、短時間で要点を抑えたい時に便利だ。
さらに、ハイライトを色別にリスト表示して管理できるほか、必要な箇所に自分だけのメモを追加することもできる。追加したハイライト、メモはそれぞれ「フラッシュカード」という機能にエクスポートできる。テキストを一枚ずつカードに起こすことで、暗記や振り返りに活用することができる。
アイデア出しという点では、いま興味があることだけではなくて、まったく無関係なキーワードを入れて本を検索してもいい。ヒットしたものを手当たり次第読んで行けるのが、Unlimitedのいいところだ。
読んでいる書籍の主要キーワードや登場する人物情報などが引ける機能。Wikipediaベースではあるものの用語解説が引けたり、人物を抽出してソートするなどができる。
マーカー機能で線を引いた箇所や、メモなどは「マイノート」機能で外部への出力もできる。Kindleの読書体験がそのままアイデアスケッチにもなる良機能だ。
2. SimpleMind+ 直感的なマインドマッピング
xpt Software & Consulting B.V.
自分の考えを整理する、新しい発想を生み出すための手法として使われる"マインドマップ"をアプリで作れるのが「SimpleMind」。手書きと違うアプリならではの利点は、何度でも書き直しができること、ドラッグ・回転・再調整・再接続が可能なこと、音声メモ・動画や画像を使えることだ。また、このアプリの場合、専用の形式に書き出すことで、Dropboxや、Googleドライブを使い、同じアプリをインストールしているタブレット間でデータをやりとりできる。
一度作ったリストを、定型のテンプレートにはめ込む・全体のカラーを変更する・チャート式に変更するなど、汎用性も高い。PDF形式に書き出すこともできるので、そのままプレゼン資料に貼り付けるなどの使い方もできる。
画像を追加したり、テンプレートを変更できる。クラウドサービス経由でデータの送受信も可能。
3. アイデアを整理しながら膨らませるアウトライナー
「アウトライン」という形式で、テキストを編集するためのソフトを「アウトライナー」と呼ぶ。このアウトライナーを使って、思考を整理していく方法がある。
マインドマップが、ビジュアルを重視しながら、縦横方面に連想・発想を無限に広げていくのに対し、アウトライナーを使ったスタイルは、階層別にイメージを膨らませ、整理しながら、解決策を見つけていく形だ。1つのテーマに対し、大きな問題→その中に含まれる小さな問題のカテゴリー→解決すべき事項へと、テキストで深掘りして行ける。
Cloud Outlinerはその名の通り、アウトライナー形式のエディター。使い方は、テキストを入力していくのみ。メインとサブ(親と子)は自由に入れ替えられる。実際に使ってみないと、良さがわかりにくいアプリだが、頭の中に溜まった情報を一旦、ここに向けて吐き出すことで、情報が整理されていく。
他にも、プロジェクトマネージャーのような、全体のTodoを管理したい人の情報整理に向いているだろう。
アイデアメモを単元別に整理して、メインとサブのそれぞれの項目を閉じたり、開いたりといったことができる。
4. 言葉の組み合わせでアイデアを引き出す!?
「斬新な企画を考えなければならないが、もうアイデアが見つからない」「プレゼンのために、インパクトあるキャッチフレーズが欲しいが見つからない」という時に使いたいのがすこし変わり種のアプリ「インスピッ」だ。
スタートすると、付箋のような背景に、意味不明な言葉が綴られたものが出てくる。それを見て、直感的に「必要」と思ったら左へ、「不要」と思ったら右へフリックするのみ。右上の「+1word」から、好きなキーワードを1つ入れることができる。たとえば「ウイスキー」を入れると、その単語が入ったランダムな言葉が生成される。
「必要」として登録したものは、まとめて見ることができる。突拍子もないアイデアを求めている時や、今まで聞いたことのないフレーズ、イベント、仕掛けを考える時に、アイデアのきっかけになるアプリだ。
弓月ひろみ:デジタル文筆家。Podcast「Apple Clip」アシスタント。iPhoneケースを500所持するコレクターとして「マツコの知らない世界」「中居正広のミになる図書館」「所さんのニッポンのミカタ」出演。総動員数35万人のアートイベント、iPhoneケース展ほか、PRイベント等のプロデュースや運営も行なっている。Twitter @yuzukihiromi / 公式サイト http://yuzukihiromi.net/