金融サービス分野のアマゾンになる —— スタートアップCEOの自信の理由とは?

BettermentのCEOジョン・スタイン氏

世界最大の独立系ロボアドバイザー企業ベターメントのCEOジョン・スタイン氏。

Betterment

アマゾンの大成功は、全てのスタートアップの目標だ。

アマゾンは、ひっそりと本の販売からスタートし、今では幅広い商品を扱う小売業へと変貌した。

世界最大の独立系ロボアドバイザー企業ベターメント(Betterment)は、運用資産90億ドル(約1兆200億円)、27万人の顧客を擁する。そして、ファイナンス分野で同じ偉業を達成できるかもしれないと考えている。

ベターメントなどのロボアドバイザーでは、人間がポートフォリオを作るのではなく、アルゴリズムを活用して投資先を決定する。最近、ファイナンス分野の既存企業は各社独自のロボアドバイザーを展開しており、同分野のスタートアップにとって存亡に関わる脅威となっている。

「旧来型の既存企業は市場シェアを勝ち取るのに有利。なぜなら、我々がアンケートを取った企業の7割弱が、サービスを開始したばかりか、または開始する予定にすぎない」と、モルガン・スタンレーは最近のメモで述べた。

だがベターメントのCEOジョン・スタイン(Jon Stein)氏の見解は異なる。我々は、以前のインタビューでどうすれば同社が厳しい競争を生き延び、優位に立てるのかを同氏に聞いた。

「少数のイノベーターが急成長することがあるのと同じ理由だ」と同氏は語った。

「つまり、『アマゾンはなぜ急成長し、オンライン小売の最大手になったのか』という質問と同じだ」

スタイン氏によると、 アマゾンが急成長したのは、1つのことだけにフォーカスしていたからだ。アマゾンは、組織内部で旧来のやり方を守ろうとする人たちと、イノベーションを志向する人たちが争うことを心配する必要はなかった。ベターメントも同じだが、既存企業は違うと同氏は述べた。

後日我々は、スタイン氏に対し、アマゾンについてのコメントを追加してもらえないかと尋ねた。スタイン氏はベターメントは「金融サービス分野のアマゾンになる」と考えていると、同社広報担当者アリエル・ソベル(Arielle Sobel)氏は返答してきた。

バンガード、チャールズ・シュワブ、モルガン・スタンレーなどの既存企業は、スタイン氏が言うには、互いに相容れない2つの仕組みを合体させようとしている。だから、今後、的確な金融アドバイスを提供できないというのだ。スタイン氏はモルガン・スタンレーについて、以下のように語った。

モルガン・スタンレーは、この純粋な顧客支援の新しいパラダイムへの移行に非常に苦心している。なぜなら同社のビジネスモデルとは異なるからだ。彼らのビジネスモデルは、金融商品の仲介だ。顧客に商品を売れば、それがどんな商品だろうと売り上げになる。だから彼らが売りやすい商品が選ばれてしまう。

モルガン・スタンレーは、スタイン氏の意見へのコメントを拒否した。同社は資産管理サービスのデジタル化を着々と進めてきている。Business Insiderの別の記事によると、同社は、既存の得意客の子息などを対象に、目標ベースのロボアドバイザーの展開を計画している。

source:Betterment

[原文:BETTERMENT CEO: We 'could become the Amazon of financial services'

(翻訳:原口 昇平)

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