ブラックフライデーを脅かすAmazonプライムデー
Andrew Kelly/Reuters
アマゾン(Amazon)が毎年7月に開催している大規模なセールが、アメリカ人の休日のショッピング習慣を変えている。
今回で3年目、過去最大規模となるAmazonプライムデーが11日火曜日に始まった。
プライムデーは、過去2年よりも数時間前倒しでスタートした。一方、十数社を超える大手小売業者が独自に大規模なセールを開催し、プライムデーに対抗した。
例えば、トイザらス(Toys R)は、12日水曜日までサイト全体を対象に今年最大規模のセールを開催、メイシーズ(Macy’s)はサイト上の全ての商品が60%オフになるセールを10日と11日に開催した。
またJCペニー(JCPenney)は「Penney Palooza」と銘打ったセールを行い、サイト上の全ての商品を25%オフにしたうえに、特定の商品はさらに値引きした。
ホーム・デポ(Home Depot)、ロウズ(Lowe’s)、ベストバイ(Best Buy)も、対象商品が40%以上値引きとなるセールを水曜日まで開催した。
自社でセールを行った多くの小売業者はまた、商品がAmazonプライムデーで販売されていた場合、同価格で提供するプライスマッチ(price-match:最安値保証)も行った。Jet.com、ベストバイ、トイザらス、ベビーザらス、Target、シアーズ、ホーム・デポ、Bed Bath and Beyondなどだ。
3年目となるAmaoznプライムデーだが、全体売り上げで見れば、ブラックフライデー(感謝祭の翌日に行われる大規模なセール)にはまだまだ及ばない。アドビによると、プライムデーの売上は約5億ドル(約560億円)に上ると見られているが、一方、去年のブラックフライデーのEC全体の売り上げは33億4000万ドルに上った。
しかし、BestBlackFriday.comによると、プライムデーはブラックフライデーよりもお買得な商品が多い。同サイトは、2016年にアマゾンがブラックフライデーとプライムデーに設定した価格を比較した。その結果、プライムデーの商品のうち77%が、ブラックフライデーの時よりも安かった。
プライムデーが人気になるにつれ、ブラックフライデーへの関心は薄れている。
2011年、ブラックフライデーを含む感謝祭の連休中に、2億2600万人が実店舗やオンラインでショッピングをしたが、2016年、1億5400万人にまで落ち込んだと全米小売業協会(National Retail Federation)は述べている。
[原文:Amazon is killing Black Friday]
(翻訳:忍足 亜輝)