世界に100台、最新IoT搭載のシェア自転車「ofo」を中国で目撃

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IoT向け無線通信技術の本命として注目を集めるNB-IoT(Narrow Band IoT)。ファーウェイ本社の取材の中で、NB-IoTを使ったシェア自転車の事例を見ることができた。

NB-IoTとは、単純にいえば、LTE通信技術をベースに帯域を絞ることで、無数のセンサーが通信を行う必要がある産業向けIoT製品に適した「低消費電力とモデムチップの低コスト化」を実現する技術だ。NB-IoTの導入事例として展示していたものの1つが、日本でも中国発の企業が福岡と札幌に上陸したことが話題の「シェア自転車」だ。

ただし、展示されているのは日本上陸を果たしたMobike社ではなく、そのライバルの大手「ofo」社のシェア自転車だ。Mobikeはオレンジ色をトレードマークとしているが、一方ofoはイエローという棲み分けになっている(ちなみに中国には別の企業として、青色の「bluegogo」というシェア自転車もある)

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深センの街中に駐輪されているofoの風景。ofoに限らず、街中の至る所、駐輪場でも何でもない歩道にまでシェア自転車が停まっている、というのがこの1年ほどで変わった深センの風景だ。

NB-IoTの技術は、ofoの後輪に装着されたスマートロックに入っている。ファーウェイはofoにチップセットと技術の提供をしている(資本関係はないとのこと)。通信インフラはチャイナテレコムで、NB-IoT搭載車は中国国内で100台程度しかまだ走っていないという(普通のofoの車両は既にたくさん走っている)。NB-IoTチップの入った車両は、いわばofoの最新モデルというわけだ。

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スマートフォンのアプリをインストールして、自転車のロック部分にあるQRコードをスキャンして決済すると遠隔でロックが開錠される仕組み。アプリは中国外ではAndroid版もある。

NB-IoTが入ると何が違うのか? ファーウェイの担当者に聞くと、Mobikeも同様にSIMカードが刺さるスマートロックを搭載しているが、(少なくとも中国国内では)Mobikeの通信は2Gであり、そのため消費電力が大きくバッテリー消費が多いことが課題、だという(念のためMobike Japanに問い合わせたところ、通信規格については現在非公表、との回答だった)。

NB-IoTは、Bluetoothと違って自分自身でLTEネットワークの接続をする能力を持ちながら、消費電力が低いことが優位性の1つだ。シェア自転車のように自車位置を随時記録するための「長期間のバッテリー駆動」が必要な用途に適している。

IoT技術はファーウェイのエンタープライズビジネスの中で、クラウド、パイプ(=ネットワーク)、デバイスの3カテゴリーのうちの「デバイス」にあたる部分だ。

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ファーウェイのエンタープライズビジネスの構造を解説する図。

既存のサービス事業者を、その裏側から半導体の提供(子会社のハイシリコンの協力)やインフラ技術で支援し、自身もビジネスを大きくしていく。これがファーウェイのエンタープライズ事業の「定石」なのだろう。

(写真:伊藤有)

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