1969年、7月20日、アポロ11号の飛行士が、月面に星条旗を立てた。
NASA
アポロ計画の宇宙船で使用されたヘリウムタンクはいかが? 月の土を集めたバッグもあります。月ロケット発射前の訓練用チェックリストは?
サザビーズ初の「Space Exploration(宇宙開発)」ライブオークションがeBayで開催される。
オークションの開始は7月20日(現地時間)、アポロ11号の月面着陸から48周年を迎えた日だ。173点におよぶ宇宙開発関連の品々がオークションにかけられる。落札価格は、合計で290万ドル~530万ドル(約3億2600万円~5億9700万円)に上ると予想されている。
出品者の中には、当時の珍しいおもちゃやサイン入り写真に高値がつくことを期待している人もいる。また、数百万ドルものとんでもない高値がつきそうな品を売りさばく人もいる。
落札価格が400万ドルになりそうな逸品がある。1969年、アポロ11号が初めて月の土壌サンプルを採取した時に使ったバッグだ。数十年間「行方不明」だったが、アメリカ連邦保安局による強制捜査で押収された後、競売で売られた。その時の価格は、995ドル。
NASAらは、世界に1つしかない宇宙開発関連の品がオークションにかけられることに対して警告を表明した。「我々は、この品はアメリカ人のものであり、公共の場に展示されるべきたと信じている」と裁判所がバッグ購入者の所有権を認めた直後、NASAは短い声明を出した。
それはさておき、オークションで注目すべき品々と、その落札予想額を紹介しよう。
アポロ11号 月の土壌サンプルを採取したバッグ
アポロ11号のニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長は、人類史上初めて採取した月の土壌サンプルをこのバッグに入れて持ち帰った。バッグの中にその痕跡が残っている。
落札予想額:200万ドル~400万ドル
ジェミニ計画 宇宙服「G1C」の断熱カバー
宇宙飛行士ガス・グリソム(Gus Grissom)用に、David Clark Companyが製造。1962年頃。
落札予想額:4万ドル~6万ドル
アポロ13号 フライトプラン。宇宙飛行士による書き込みあり
ジム・ラベル(Jim Lovell)、ジャック・スワイガート(Jack Swigert)、フレッド・ヘイズ(Fred Haise)のスケッチやメモが書き込まれている。
落札予想額:3万ドル~4万ドル
アポロ司令船 反応制御システムの推進剤タンク
直径39.5インチ(約1.0メートル)の楕円形タンク(中は空)。チタン合金製の半球2つを溶接してある。Sargent Industries製、1970年頃。赤の識別ラベルと紙のラベルがついている。
落札予想額:2500ドル~3500ドル
アポロ計画 ミッションエンブレム(Lion Brothers製)
全12種類。サイズは直径3.5インチ~5インチ(約9~12.7センチメートル)。Lion Brothers(メリーランド州オーウィングス・ミルズ)が1967年から製造。
落札予想額:1200ドル~1800ドル
バズ・オルドリンと星条旗
カラー写真、8×10インチ(約20.3×25.4cm)。バズ・オルドリン(Buzz Aldrin)の名前と「LMP」(Lunar Module Pilot、月着陸船パイロット)の文字が書き込まれている。
落札予想額:1000ドル~1500ドル
ロシア製ロケットエンジン「Isayev」
V-751型、液体燃料を推進剤に用いたロケットエンジン。約39×14×14インチ(約99.1×35.6×35.6cm)。複数の合金製。多数の検査マークが、主に赤色でつけられている。黒い金属製スタンドに固定されており、点火された形跡はない。ロシア製、1957年頃。ロシアのロケット技術者アレクセイ・イサエフ(Alexei Isayev)が設計。
落札予想額:6000ドル~9000ドル
宇宙船ボストーク1号の模型
8分の1模型。NPO Energiaがプレゼンテーション用に製造。
評価額:1万ドル~1万2000ドル(約112万円~134万円)
スペースシャトル コンピュータープロセッサー
Sotheby's
最初期の生産モデルの1つ。シリアルナンバー「04」。
落札予想額:5000ドル~7000ドル
アポロ11号 プレスリリース用写真
全10枚。うち4枚はバズ・オルドリンのサイン入り。
落札予想額:2500ドル~3500ドル
アポロ10号 月着陸船宇宙飛行士のマスコット、サイン入り
宇宙飛行士姿のスヌーピー。サンフランシスコのDetermined Productionsが1969年に中国で製造。プラスチックと布製。高さ10インチ(25.4cm)。オリジナルのディスプレイボックス付き。
評価額:2000ドル~3000ドル
ユーリ・ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行の記録書類
1961年4月12日、ソ連の宇宙船ボストークによる人類史上最も偉大な瞬間に関して、英語で書かれた公式の報告書。ガガーリンと関係者によるサイン入り。
落札予想額:5万ドル~8万ドル
ケネディ宇宙センターでのアポロロケット打ち上げ観覧バッジ
打ち上げサポート要員、VIP、ゲスト、報道関係者に発行された。
落札予想額:1200ドル~1800ドル
アポロ11号 フライトプランのシート
月面での活動スケジュールを記したシート。元々はアポロ11号月着陸船パイロット、バズ・オルドリンが所有。
落札予想額:2万ドル~3万ドル
アポロ9号 高度計カバー
ピーター・ファディス(Peter Fadis)のコレクションより。司令船の高度計カバー。アルミ製。直径2.5インチ(約6.4cm)。裏面のマジックテープは当時のまま。部品ナンバー「SEB 33100063-302」、シリアルナンバー「1006」。
落札予想額:3000ドル~5000ドル
「静かの海」に立つバズ・オルドリン
Sotheby's
アポロ計画で最も有名な写真。ニール・アームストロング船長が撮影した。オルドリンのサインと書き込みあり。
落札予想額:3000ドル~5000ドル
アポロ11号 司令船表面の金属片
0.5×0.5インチ(約1.3×1.3cm)の薄い金属片が、3×8インチ(約7.6×20.3cm)の紙に貼られている。タイプライターによる説明文と、バズ・オルドリンのサインが添えられている。金属片は、司令船コロンビアの外側表面の断熱層の一部。月軌道上での60時間を含む約195時間にわたって宇宙空間にさらされ、50万マイル(約80万5000キロメートル)を飛行した。元々はアポロ11号月着陸船パイロット、バズ・オルドリンが所有。
落札予想額:1500ドル~2000ドル
アポロ11号 月面探査の詳細プラン
史上初となる月の土壌サンプル採収の手順も記載。
落札予想額:6000ドル~8000ドル
アポロ11号 クルーのサイン入りエンブレム
アポロ11号の司令船パイロット、マイケル・コリンズ(Michael Collins)のコレクションより。アポロ11号関連の品の中でも数少ないニール・アームストロング船長のサイン入り。
落札予想額:4万ドル~6万ドル
source:Sotheby's
(敬称略)
[原文:Millions of dollars' worth of Apollo moon-landing gear is about to be sold on eBay]
(翻訳:仲田文子)