ビットコイン価格は先週末の下落分の大半を回復した。
MI
ビットコインが、先週末の下落分を回復しつつある。懸念されていた分裂問題に、近々解決に向かいそうな兆しが出てきたためだ。
ビットコインの価格は先週末20%急落し、1800ドルを下回った。しかし、記事執筆時点では2300ドル前後で取り引きされている。
妥協点を探るソフトウエアの導入
ブルームバーグによると、これはビットコインのマイナー(採掘者)らが、ビットコインを二分している陣営を橋渡しし得るソフトウエアの導入を進めているためだ。十分な数のマイナーが「SegWit2x」と呼ばれるこのソフトウエアを導入すれば、ビットコインの分裂は回避されそうだ。
「直近24時間にマイニングされたブロックの約55%に、SegWit2xが使われていた。使用率が80%に達し、その状態が2日以上維持されれば、ビットコインの分裂は回避される可能性が高まる」とブルームバーグは伝えた。
年間2億8220万ドル相当のビットコインのマイニングを行っているマイナー最大手のAntpoolは、ブルームバーグによると、SegWit2xのリリース以来、このソフトウエアへの切り替えを進めてきた。
分裂問題の原因
ビットコインをめぐって今、2つの陣営が対立している。
一方は、コアと呼ばれる開発者らで、ビットコインのネットワークを構成するブロックのサイズを、現状の1メガバイトのまま維持することを望んでいる。もう一方は、ブロックサイズを拡大し、ネットワークを高速化することを望むマイナーらだ。
妥協点を探るために、ある「企業幹部とマイナー」らが、SegWit2Xの使用を提案した。この提案は、ソフトウエア実装のしきい値を80%まで下げ、さらにブロックサイズを2メガバイトまで増やそうというものだ。ビットコインのエバンジェリスト、ポール・マクニール(Paul McNeal)氏が語った。
ただし、どちらの陣営にも妥協を受け入れない「原理主義者」が存在する。
ビットコインのデリバティブ取引所BitMexのCEOアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は、最近、Business Insiderに対して、分裂の可能性は非常に高いと考えていると述べた。最終的に4つに分裂する可能性もあるという。
ヘイズ氏は、ビットコインの価格は、SegWit2x実装の期限である8月1日まで、散発的に上昇と下落を繰り返すと予想している。
「おそらく、この不確実性のせいで売りが優勢になり、価格が下落するだろう」とヘイズ氏。
「だが、中には数十億ドルを投資している人がいる。彼らは最終的に最も優れたビットコイン・ネットワークを選ぶだろう。そしてマーケットもその動きに追随するはずだ」
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[原文:Bitcoin is on a tear amid signs that its civil war is coming to an end]
(翻訳:原口 昇平)