「ロシアが本当にアメリカを支援するなら、対露制裁措置は不要だ」

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ペンシルベニア州で開催された集会でのドナルド・トランプ氏。

Jeff Swensen/Getty Image

トランプ次期米大統領は、ロシアと中国に対する立場の詳細を明かした。

1月13日金曜日の夜に公開されたThe Wall Street Journalでのインタビューでトランプ氏は、アメリカが「1つの中国」政策(the "One China" policy)を見直す可能性に触れた。

この政策は、米中外交関係を支えるものとして、数十年前に確立されたものだ。

トランプ氏は、米中関係のどんな新しい発展も中国の貿易や通貨政策に依存しかねないとし、アメリカにとって不平等なことだと述べた。

当選後すぐ、トランプ氏は台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統から祝福の電話を受けて話をした。アメリカと台湾の指導者が直接連絡を取ったのは、過去30年間で初めてのことだ。

米露関係

トランプ氏は、ロシアが行っった民主党の大統領選挙活動へのサイバー攻撃を踏まえて、オバマ大統領が昨年末に発表した対露制裁の続行を検討する、と述べた。

トランプ氏は彼の大統領任期中、ロシアに対する制裁措置は「少なくとも一定期間」適用される可能性があるとした。オバマ大統領が12月に発表した新たな制裁措置には、ロシア外交官35名の国外退去処分が含まれる。

場合によっては、ロシアへの制裁続行が意味をなさない場合もあると、トランプ氏は示唆した。

「ロシアが本当は我が国を支援しているとしたら、もし非常に素晴らしいことをしてくれていたら、彼らに対して制裁を施す必要があろうか?」

トランプ氏の言う「非常に素晴らしいこと」の真意は不明瞭だ。選挙中も、その後も、次期大統領はロシアを繰り返し褒め、プーチン大統領を称賛してきた。オバマ大統領が新たな制裁措置を発表した翌日も、トランプ氏は制裁に対するプーチン大統領の声明―トランプ次期政権との、より親密な関係を期待し、アメリカに報復しないというもの―を「非常に賢明な策だ」と発言し、再度プーチン大統領を称賛した。

「以前からずっと、彼は非常に賢いと知っていた」とトランプ氏はプーチン大統領について語った。

ロシアに対する非難

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オバマ氏は、2016年11月20日、ペルーのリマで開催されたAPECサミットの終わりに記者会見を行った。

REUTERS/Kevin Lamarque

トランプ氏の陳腐な言葉は、ロシアとプーチン大統領に対する共和党と民主党両党からの非難を背景に出たものだ。

ポール・ライアン(Paul Ryan)下院議長とミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)上院院内総務はロシアを糾弾する声明を出し、アリゾナ州選出のジョン・マケイン(John McCain)上院議員は「ロシアの我が国への攻撃に対し、すべてのアメリカ市民が警戒すべきだ」と発言している。

サウスカロライナ州選出のリンゼイ・グラハム(Lindsey Graham)上院議員はプーチン大統領を激しく非難し、ロシア政府への「壊滅的な制裁」を要求した。オバマ大統領はロシアによるサイバー攻撃を「国家非常事態」と称した。

プーチン大統領は不正行為の一切を否認している。

トランプ氏は、ロシアがサイバー攻撃の黒幕だったと最近認めたものの、ロシアによるハッキングへの調査に関わる情報を、情報機関が報道陣にリークしたとして、情報機関を公に叱責しようとした。

上院情報委員会は金曜日、ロシアによるハッキングについて調査すると発表した。

ノースカロライナ州選出の共和党、リチャード・バー(Richard Burr)上院情報委員会委員長とバージニア州選出の民主党、マーク・ワーナー(Mark Warner)副委員長は声明で以下のように述べた。

「我々はロシアの諜報活動がアメリカにもたらした影響の規模を完全に理解することが不可欠であると信じている」

上院情報委員会はトランプ次期政権とオバマ政権の双方の高官との面談を計画しており召喚状を出す場合もある、とロイターが報じた。

トランプ白書

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ドナルド・トランプ氏

Evan Vucci/AP Photo

トランプ氏の米情報機関に対する一方的な戦いは今週も続いた。トランプ氏とロシアとの関連性に関する未確認の調査結果が公開されたのだ。

水曜日にようやく開かれた記者会見で、トランプ氏らは、この書類の詳細を広めたとして、報道陣を叱責しようとした。

金曜早朝、次期米大統領は怒涛のツイートで攻撃を再開した。

「結局でっちあげの陳述は、私の政敵や告訴を恐れた落ちこぼれスパイによって作られたものだった」

「両党の卑劣な政治工作員によって完全に捏造された事実だ。偽ニュースに他ならない!」

「ロシアは、何も存在しないと言っている。きっと情報機関が証拠がないし、見つからないと知っていながら公開したのだろう。私の部下であれば、90日以内にハッキングに関する完全レポートを完成させるだろうに!」

トランプ氏は来たる1月20日に第45代目アメリカ大統領に就任する。

[原文:Trump suggests US sanctions against Russia are unnecessary if Moscow is 'really helping us'

(翻訳:近松瑛真)

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