ハードウェアメーカーとしての色合いを強めるGoogle――自動運転のエコシステムを構築

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Waymo

Googleがハードウェアメーカーを目指していることは周知の事実だ。

このIT最大手企業は、昨秋、同社ブランド初のスマートフォンであるグーグルピクセル(Google Pixel)、スマートフォンやタブレットと連携するスピーカー、Google Home(グーグル・ホーム)など、一連の自社製ハードウェア製品を発表した。

そして今、同社は自動運転車で同じアプローチを取り始めている。グーグルの持株親会社アルファベット(Alphabet)の子会社で自動運転車を手がけるウェイモ(Waymo)は、今週、センサーを自社で製造すると発表した。

つまり、自動運転車に必要なセンサー類(レーダー、光レーダー 、カメラ)はすべてGoogleで設計・製造され、統合されて自動運転のハードウェアとして組み込まれる。

多少の疑問は残るものの、ウェイモによって自動運転車の分野におけるリーダーとしての地位を奪還しようというGoogleの動きには目を見張るものがある。

市場に出せるまでの課題は多い

ウェイモの自動運転車に関するソフトウェア開発力には疑問の余地はない。同社のソフトウェアを搭載した車は自動で約250万マイル(約402万キロ)走行している。ウェイモによると、これは1人の人間の300年分の運転時間に相当する。

問題は、まだ壮大な挑戦に向けて第一歩を踏み出した段階の自動運転車を、実際に市場に出せる製品に変身させることだ。

ウェイモはもともとハンドルやブレーキ、アクセルペダルもなしで、完全に自動で走行する車を生産する壮大なビジョンを持っていた。 同社の一部のエンジニアは、テスラ(Tesla)のように部分的な自動化から始めるよう提案したが、ブルームバーグが伝えるところによれば、Googleの共同設立者で、アルファベットCEOのラリー・ペイジ(Larry Page)氏は、このアプローチには当初から反対している。

しかし、プロジェクトの進展が遅れたことで、何人かの幹部はGoogleを去った。ウェイモの前身、同社の自動運転車開発部署を率いたクリス・アームソン(Chris Urmson)氏は8月に退社した。アンソニー・レバンダウスキー(Anthony Levandowski)氏は、プロジェクトの創設メンバーだったが、自動運転トラックの開発を目指すスタートアップ企業オット(Otto)を立ち上げた。同社はいま、ウーバー(Uber)がオーナーだ。

Google在職中、アームソン氏は、ハンドルやペダルを使わない自動運転車の公道走行のための規制緩和を上院に働きかけていた。この間ずっと、開発競争は激しさを増し続けた。

特にウーバーの動きが激しくなっており、まず9月にピッツバーグで、その後アリゾナ州で自動運転車を走らせた。

だが、ウェイモは最近、競争の激化による弊害を避けるために賢明な方向に動いた。 完全自動運転ではなく、ドライバーがコントロールする部分を残し、一方で、フィァット・クライスラー(Fiat Chrysler)とのパートナーシップを拡大することにしたのだ。ウェイモは1月末までにアリゾナとカリフォルニアでクライスラー・ミニバンの自動運転テストを開始する予定だ。

ウェイモはホンダとも、自動運転車の生産に関する話し合いを進めている。

最近のウェイモの自動運転車技術の自社生産についての発表においても、Googleがいかに自動運転車の分野で、再び大きな競争力を獲得してきたかを見ることができる。

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ウェイモによると、自社で設計・製造することで、すべてのセンサーが容易に連携できるようになり、結果的にコストが大幅に削減される。技術開発が進むにつれ、コストダウンはさらに進展する見通しだ。

ウェイモは原則として、自動車メーカーとのパートナーシップを通して、ハードウェアとソフトウェアの統合、すなわち自動運転のエコシステムを構築してきた。昨夏の幹部らの退職後、ウェイモは商品化に向けての確かな道筋を切り開くために邁進してきたのだ。

とはいえ、ウェイモの試みがもくろみ通りに進むか否かはわからない。Googleはハードウェア企業としての色合いを強めて来ているが、ハードウェアはそもそも同社の強みではない。

クライスラーのミニバンが、同社のシステムを装備した最初の車となる。ウェイモのハードウェアが、自社のソフトウェアとの連携で、どのくらいうまく機能するのかを見極め必要がある。BMW、Volvo、Uberなどが2017年にいっせいに公開デモを行うと見られているため、ウェイモも同様に公開デモを行う必要がある。

それでも、ウェイモの計画はわずか2カ月前と比べると、かなり改善されているように思える。

※記事で示された意見は著者の考えです。

images:Waymo

[原文: Google made a brilliant pivot to turn around its self-driving-car struggles

(翻訳:Conyac

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