1月は映画スタジオにとって「不作の月」!?

『モンスター・トラック(原題:Monster Trucks)』

『モンスター・トラック(原題:Monster Trucks)』

Paramount

アメリカで1月は、NFLのプレイオフとサンダンス映画祭の月として知られているかもしれないが、映画ビジネスにおいて、1月は「不作の月」として知られている。映画館が映画スタジオがヒットの望みが持てない映画であふれるのだ。

この1月も同様だ。パラマウント映画が1億2500万ドル(約140億円)を投じて2014年に製作した子供向けアクションムービー『モンスター・トラック(原題:Monster Trucks)』は、3度の公開日変更を経て、ようやくこの1月に公開されることに落ち着いた。そして、誰も驚かないが、公開初週である連休の週末、3000以上の映画館でわずか1460万ドル(約16億5000万円)の興行収入で幕を上げた。

そして、“同病相憐れむ”だ。『バイオハザード:ザ・ファイナル(原題:Resident Evil: The Final Chapter)』(2016年12月23日日本公開)が1月27日にアメリカ公開される前にいくつもの悪い出だしがあった。

1月は多額の予算を使ったダメ映画の本家というだけではない。賞レースのシーズンに期待にそぐわなかった作品は雑多なものとされる。ベン・アフレック(Ben Affleck)の期待外れのギャング映画『夜に生きる(原題:Live by Night)』(2017年5月日本公開予定)は週末に2822館で公開され、わずか570万ドル(約6億4000万円)だったし、マシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)のさえない映画『Gold(原題)』は1月27日公開される。

『夜に生きる(原題:Live by Night)』

『夜に生きる(原題:Live by Night)』

Warner Bros.

過去には2月も「不作の月」と考えられていたが、最近は状況が改善してきた。『デッドプール(原題:Deadpool)』(2016年6月1日日本公開)は昨年、祝日のプレジデント・デーの週末に公開され、R指定映画ということがより一層驚きなほど記録的な興行記録をあげた。今年も『ジョン・ウィック2(原題:John Wick: Chapter 2)』や『レゴバットマン ザ・ムービー(原題:The Lego Batman Movie)』(2017年4月1日日本公開予定)、『A Cure for Wellness(原題)』、そしてジョーダン・ピールズ監督デビュー作『Get Out(原題)』が非常に期待されてるように2月は有望そうだ。

しかし、なぜハリウッドにとって1月は“不作”なのか。映画評論家による評価をまとめた米ウェブサイト『ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)』の編集長マット・アチティ(Matt Atchity)氏は複合的要因だと指摘する。天気と年末年始のホリデーシーズンに散在した後で財布の紐を締めていることが、人々が映画館に行こうとしないいくつかの理由だが、映画スタジオがこの時期にほかに優先事項があることも理由だという。

「映画賞の受賞が期待される作品はこの月に大きなキャンペーンを行います。なので、映画スタジオは受賞候補が全国的な話題となるのを邪魔しないようあまり話題性のない作品を公開するのです」と編集長はBusiness Insiderに語った。

今年オスカーが期待される『LA LA LAND(原題)』と『Hidden Figures(原題)』はともに2017年になってから力の入った全国的なキャンペーンを行っている。

『96時間』

『96時間』は不作の月に公開されながら大ヒットを記録した作品。

20th Century Fox

映画スタジオはたまに「不作の月」の中に“アタリ”を見つける。2009年にさかのぼると、『96時間(原題:Taken)』はほとんど期待されずに1月最終週に公開されたが、リアム・ニーソン(Liam Neeson)の復讐劇はその公開初週にヒットして、250万ドル(約3億円)の製作費にも関わらず、世界中で2億2500万ドル(約254億円)を稼ぎ、2つの続編ができた。2014年には、アイス・キューブ(the ice Cube)ケビン・ハート(Kevin Hart)のコメディー『ライド・アロング~相棒見習い~(原題:Ride Along)』が大きなヒットとなった。同作も250万ドルの製作費ながら、世界中で1億5000万ドル(約170億円)を手に入れ、大当たりの続編を生み出した。

映画スタジオは1月に大きな安定した興収が見込める映画を育てようとはしないが、世界中が魅力的と思えるような「『96時間』や『ライド・アロング~相棒見習い~』のような中規模の映画はこの時期にもっとも公開に適した映画だとアチティは思っている。

「適した映画にとって肥沃な土壌がそこにはあります。しかし、それはまだとてもリスキーな土壌です」

[原文:Why the worst movies of the year always come out in January

(翻訳:須藤和俊)

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