B級映画の帝王ロジャー・コーマンに学ぶハリウッドの成功哲学

『Death Race 2050』のセットを見るロジャー・コーマン

『Death Race 2050』のセットを見るロジャー・コーマン(左)

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インディーズ映画のプロデューサー、ロジャー・コーマン(Roger Corman)は、1950年代から人気の低予算映画を作ってきた、映画業界でもっとも成功したプロデューサーの1人だ。

『巨大カニ怪獣の襲撃(原題:Attack of the Crab Monster)』や『恐怖の獣人(原題:Teenage Cave Man)』のようなオカルトB級ホラー映画に取り組んだり、フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督やマーティン・スコセッシ監督がまだ若手だった頃に支援したり、コーマンはいつも時代に合った映画を作り、利益を上げてきた。

90才になってもその熱意を失っていない。最新作『Death Race 2050(原題)』(アメリカにて1月17日Blu-ray発売)は、デイビット・キャラダイン(David Carradine)と当時無名だったシルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)主演でコーマンが1975年に製作したカルト映画『Death Race 2000(原題)』の続編だ。1作目のように、もっとも多くの人間をひいたドライバーが優勝という非道徳的な未来で起こるカーレースの映画で、政治的な風刺作品だ。

わたしたちは、彼に映画業界で成功する方法を聞いた。以下がコーマンによる4つの成功の秘訣だ。


1. 映画に隠されたメッセージを込める

『Death Race 2050』で会長を演じるマルコム・マクダウェル

『Death Race 2050』で会長を演じるマルコム・マクダウェル

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『Death Race 2050』はブラックユーモアを織り交ぜた未来のカーレースの映画だ。そのストーリーの裏にはわたしの思いが込められている。わたしは常に、可能な限り、作品にわたし自身のテーマを織り込んでいる。隠されたメッセージをいつも入れているのだ。観客はブラックユーモアあふれるカーレースの映画を観に来て、社会的への風刺を感じ取る。SF映画が得意とすることだ。たとえば、アメリカ合衆国は現在、アメリカ合衆“会社”だ。大統領は取締役会の議長だ。映画は社会が進んでいる方向を明確に指摘するべきだ。


2. 映画製作はビジネスだと理解する

『X線の眼を持つ男(The Man with the X-Ray Eyes)』のセットにて。左がコーマン。

『X線の眼を持つ男(The Man with the X-Ray Eyes)』のセットにて。左がコーマン。

Hulton Archive/Getty

アーティストタイプの人は、映画製作に膨大なお金がかかることを忘れている。世界で何が起こっているか、映画ビジネスで何が起こっているかわかっているはずだ。ヒットするジャンル、ヒットする特定の映画を理解し、はじめから正しく計画しなければならない。同時に、過去に成功したことを繰り返してもダメなことも理解する必要がある。ビジネスの視点から見ても独創的であること、創造的であることが必要なのだ。すなわち、創造性を持ったビジネスプランを立てるべきなのである。


3. 現状に満足しない

『Death Race 2050』

『Death Race 2050』

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『Death Race』は未来のカーレース映画として始まった。カーレースの映画はいつも成功してきたが、同時に何か独創的なものが必要だと感じていた。何度も同じカーレース映画を作ることはできない。レーシングカーで戦うことは独創的だが、さらにもっと途方もない何かが必要だと考えた。それが通行人を殺すというアイデアだ。ドライバーが通行人を殺すことでポイントを得るカーレースの映画はこれまでになかった。これまでいくつかのカーレース映画を作ってきたので、そのジャンルでいろいろ考え続けてきた。わたしは人気のジャンルに新しい何かを加えたのだ。


4. 自分のお金で作ってもよい

映画づくりの基本的なルールの1つに、決して自分のお金を使ってはいけない、というのがある。しかし、わたしは自分のお金を映画に注ぎこんだ。自分が作っているものを信じるなら、ルールを破っても構わない。

(敬称略)

[原文:How to be successful in Hollywood, according to movie legend Roger Corman

(翻訳:須藤和俊)

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