*『セブン』のラストシーンに言及しています。
映画『セブン』
New Line Cinema
デビッド・フィンチャー監督『セブン』(1995)のラストシーンは衝撃的だ。犯人(ケビン・スペイシー)が刑事(ブラッド・ピット)に箱を渡す。その箱には、刑事の妻(グィネス・パルトロウ)の切断された頭部が入っていた(映画では頭部は映らないので、観客は想像するしかないが……)。
しかし、当初、このラストシーンは却下された。
『セブン』の脚本家 アンドリュー・ケビン・ウォーカー氏がハリウッド・リポーター紙に語ったところによると、『セブン』がウォーカー氏のオリジナルのラストシーンで制作されることになったのは、“脚本の取り違え”という不幸中の幸いが原因だった。
1990年代の初め、ウォーカー氏はニューヨークのタワー・レコードで働きながら『セブン』の脚本を書いていた。映画化の権利を獲得したのは、ジェレマイア・S・チェチック監督(『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション 』など)。チェチック監督はラストシーンに不満を持ち、変えようとした。
書き変えられた脚本の詳細について、ウォーカー氏は深く述べなかったが、少なくとも、箱の中に「頭部」はなかったという。
その後、チェチック監督はプロジェクトから降板。脚本はハリウッドを転々とした後、フィンチャー監督の元に辿り着いた。それがなぜか、オリジナル脚本だった。つまり、箱の中には「頭部」が入っていたのだ。
「フィンチャー監督は脚本に興味を示し、スタッフに“箱の中に入れられた「頭部」”の話をしたんだ。スタッフは慌てて『すみません、間違った脚本を送ってしまったようです』と言った。そして、チェチック監督によって大幅に書き直された原稿をフィンチャー監督に再送したのさ。もちろん。その脚本では、箱の中に「頭部」は入っていなかった。その脚本を読んで、フィンチャー監督は言った。『ごめん。わたしはこれをやるつもりはないよ』」
フィンチャー監督の言い分が通り、オリジナルのラストシーンが復活した。あとは歴史が示す通りだ。
あの狂気じみた結末のおかげで、『セブン』は傑作となった。では、あの忘れがたい衝撃のラストシーンをもう一度見てみようじゃないか。
source:New Line Cinema
[原文:The famously gruesome ending of 'Seven' almost didn't make it in the movie]
(翻訳:小池祐里佳)