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華やかで、濃密な大都市・東京。わたしたちが知る今日の姿になる前は「江戸」と呼ばれる小さな漁村だった。
今や1300万人以上が住む日本の首都は、12世紀初頭からドラマチックに変貌し続けている。
ここで紹介する地図、木版画、写真の数々は、東京が小さな村から現在の姿になるまでの道のりを我々に見せてくれる。
※この記事は1月に公開した記事の更新版です。
東京はもともと「江戸」という名前だった。河口という意味だ。12世紀後半、江戸氏によって城が築かれ、街ができた(江戸氏は、この地の名前をとって江戸と名乗った)。当時の建物の堀や壁には、現代までその面影を残しているものもある。
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出典: National Geographic、Open Buildings
1630年代までに、江戸の人口は15万人になった。
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出典:Urban Networks in Ch'ing China and Tokugawa Japan
次の世紀にわたって、小さな漁村は世界一の大都市になった。1721年には100万人が住んでいた。
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出典:Urban Networks in Ch'ing China and Tokugawa Japan
17世紀、徳川幕府が開かれ、江戸は日本の中心地となった。200年以上、江戸は「徳川時代」と呼ばれる平和な時期を満喫した。
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出典:Edo, the City That Became Tokyo
しかし、1853年、アメリカのペリー提督の来航で平和な時代は終わりを告げた。いわゆる黒船来航を境に、日本は混乱状態に陥った。
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1868年、江戸幕府は倒れ、徳川慶喜は最後の征夷大将軍となった。10月、明治天皇は東京に移り、江戸城を皇居とした。
江戸城、1870年〜79年頃。
Felice Beato/NYPL
出典:Columbia University and "Japan in the 21st Century: Environment, Economy, and Society"
1873年、太政官布告において公園が整備された。布告には「東京、大阪、京都には歴史的な名所、美しい景観地、人々がレクリエーションを楽しみ、リラックスできる場所がある」と記されていた。
上野恩賜公園。1924年〜40年頃。
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東京市(当時)は1924年、宮内庁から払い下げられた土地を上野恩賜公園としてオープン。
出典:Japan's Ministry of Land and World Heritage Encyclopedia
公園の中にある不忍池。スイレンに覆われている。
1910年頃。
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日本の文化と商業の中心地として栄えていたが、遷都の後、1889年に「東京市」となった。
東京のメインストリート。1905年。
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工業化も始まった。
東京の街並み。1910年〜19年頃。
Japan. Tetsudōin/NYPL
都市計画においては、幹線道路よりも、主要駅へのアクセスを優先させた。このことが都市の人口密度を高めることにつながった。
有楽町駅のオープニング。1919年。
Old Tokyo
出典:Japan Railway and Transport Review
20世紀初頭には、運河も発展していた。船が埠頭、倉庫、運河の先にある工場などに物資を運んだ。
1910年代
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出典: Go Tokyo
東京駅は、1914年に竣工。上は建設中の写真、下は完成時。
東京駅、建設中と完成時の写真。
Japan Times/Tokyo Station Hotel
出典:"The Making of Urban Japan"
東京の人口は増え続け、1920年までに370万人に達した。
繁華街。1922年。
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出典: Tokyo Metropolitan Government
20世紀初頭から中頃にかけて、東京は2つの大きな災難 に見舞われた。1923年の関東大震災と第2次世界大戦だ。
爆撃され火災に見舞われる東京。1945年。
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多くの命と都市機能が失われたが、数十年かけて徐々に復興していった。1930年の劇場街。
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そして同じく1930年の浅草寺。
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約1350万人を抱える東京は、今も世界最大の都市だ。
Moyan Brenn / Flickr
出典: Japan Times
世界でも有数の高さを誇るビルを抱える、エネルギーにあふれる街。海辺の小さな漁村は、長い道のりを歩んできた。
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[原文:Amazing images of Tokyo before it was a city]
(翻訳者:にこぱん)