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原子力発電事業で巨大な損失が発生する見通しとなった東芝は、新たに数千億円規模の事業・資産の売却を検討している。関係者への取材でわかった。
関係者によると、東芝は米国の原発事業で計上する損失額によって、売却する事業・資産の内容を検討する。財務基盤の強化を図るため、同社は半導体事業を分社化し、他社からの出資を求める方針を明らかにしている。NHKは19日、半導体事業の分社化とは別に、複数の事業や保有資産の売却などを進めることで3000億円規模の資金を捻出すると報じた。
資産売却を進めながら、金融機関からの支援を取り付けることで、最悪のシナリオである債務超過を避けるのが狙いだ。
東芝は12月、アメリカの子会社が手がける原子力事業で数千億円規模の損失を計上する可能性があると発表。損失額を月内にも確定させる。日本経済新聞は19日、損失額が最大で5000億円を超える可能性があると報じている。
同社は、今月10日には主力銀行などと協議を行い、融資の継続を要請。関係者によると、みずほ銀行と三井住友銀行に加え、地方銀行を含む約80行の代表者が出席した。2月末までに再度、銀行との協議を行うという。
東芝は、2016年9月中間期に968億円の営業利益を計上。そのうち半導体事業は783億円だった。同社は昨年、医療機器大手の東芝メディカルをキヤノンに約6700億円で売却。白物家電を開発、製造する東芝ライフスタイルの株式80.1%を、中国家電大手の美的集団に約540億円で売却することで合意した。