ウォールストリートの人気シェフが教える「ステーキを焼く9つのコツ」

ビリー・オリバ氏

ビリー・オリバ氏はウォールストリートで大人気の老舗ステーキレストラン「デルモニコ」のシェフ。

Courtesy of KB Network News

厚みのあるジューシーなステーキに勝る料理など、この世に存在しない。さらに言えば、ステーキレストランで出される肉は、家で焼くステーキとは比べ物にならないほどおいしい。冷蔵庫から取り出してお皿に盛り付けるまで、ステーキ店のシェフしか知らない数々の工夫と秘密があるからだ。

その秘密をウォールストリートの大人気ステーキレストラン「デルモニコ(創業1837年)」の料理長ビリー・オリバ(Billy Oliva)氏に聞いた。

肉本来の旨味を最大限に引き出すために、守って欲しい9つのルールがある。

1. 冷蔵庫から取り出したばかりの肉を調理してはいけない

これは一番やってはいけない。肉に熱をうまく伝え、じっくり調理できるように、レストランでは肉を常温で保存している。冷たいまま焼くと外が焦げやすくなり、中まで火が通らなくなる。

2. 十分に加熱していないフライパンに肉を乗せてはいけない

フライパンを十分に加熱せずに調理すると、(風味を生み出す)カラメル反応を逃し、肉を蒸した状態にしてしまう。その結果、旨味成分を逃げ、パサパサした肉になる。

3. 塩・胡椒は遠慮せずに使うこと

ほとんどの人は、しっかり塩・胡椒をしなかったり、肉の片面にしか塩・胡椒をしていない。両面にしっかり塩・胡椒をすること。塩はコーシャーソルト(ユダヤ教の戒律に則った、精製されていない自然塩)と海塩のブレンド、胡椒は複数種をブレンドしたものを挽きたてで使うとよい。

調味料

味付けはしっかりと。

Oleksandr Briagin/Shutterstock

4. 長時間、強火で炙ってはいけない

グリルで炙って調理をする場合、ほどよい焦げ目をつけるために直火で素早く炙った後は、グリルの端へ移動させる。(グリルの)少し温度が低いところでじっくり焼くとよい。

5. 焼いている最中、肉にフォークを刺してはいけない

カップケーキではなく、ステーキを調理しているのだから、肉にフォークを刺して穴をあけてしまうと、肉汁や旨味がそこから逃げてしまう。

6. 何度もひっくり返さないように

十分に加熱したフライパンに肉を置き、カラメル化が始まるまでしばらく放置する。ひっくり返すのは一度だけ。何度もひっくり返すと、熱くなった鉄板の表面から肉が離れてしまい、外面をほどよく焦がすことが難しくなる。その結果、旨味成分を肉の中に閉じ込めることができなくなる。

焼き方

2回以上ひっくり返してはいけない。

Oleksandr Briagin/Shutterstock

7. フライパンに押し付けない

ターナー(フライ返し)やトングで肉をフライパンに押し付けるのは、フォークで刺すのと同じくらいよくない。脂分を肉の中に閉じ込めることで旨味が増すので、肉をフライパンに押し付けると脂分が外へ出てしまう。

8. 焼いたばかりの肉を食べてはいけない

焼き終わったら、肉汁を中にしっかり染み込ませるために少し時間を置く。置く時間は肉の大きさによって変わってくる。デルモニコの42オンス(1.2kg)のステーキは、サーブする前に10分から15分は置いておく。どの大きさでも大体10分は置いた方がいい。

9. 最後に再度、しっかり味付けをしよう

下ごしらえの時にした味付けは調理の過程でほとんど失われてしまう。最後に改めて、味付けをすること。

エンジョイ!

[原文:9 ways you're cooking your steak wrong, according to the chef of Wall Street's oldest steakhouse

(翻訳: 梅本了平 )

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