トランプ氏、核ボタンの使い方を学ぶ——大統領就任、近づく

トランプ次期米大統領

トランプ次期米大統領

REUTERS/Carlo Allegri

トランプ次期米大統領は1月20日金曜日(現地時間)、第45代アメリカ大統領に就任する数時間前に核兵器について説明を受ける。

数分のうちに都市を消し去り、何百万人もが犠牲になる兵器を発射する方法が教えられるのだ。

「重々しい瞬間だ。この世界における究極の責任を負うことになる」

ジョージ・W・ブッシュ元大統領の首席補佐官を務め、就任時に同席したアンドルー・カード(Andrew Card)氏は、政治メディア「Politico」にそう語った。

核ボタンのコードは発射を命じた大統領の本人確認に使われる。ひとたび発射指令を出すと差し戻しはできない。

次期大統領にとってこの説明はとても厳粛なものではあるが、核兵器についての詳細な説明が行われるわけではない。実態は実に単純なものだ。

「極めて軍事的な手続きだ。企業の会議などとは違い、規則に従った機械的な手順が示される」とカード氏。

「テレビのリモコンの使い方を習うみたいなものだ」

歴代大統領は皆、この説明を受けることで、自身の責任の重大さを痛感してきた。

ビル・クリントン元大統領の報道官を務めたジョージ・ステファノプロス(George Stephanopoulos)氏は、就任式に先駆けて核兵器の発射ボタンの説明を受けたクリントン氏の様子を1999年の回顧録の中で明らかにしている。

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第42代アメリカ大統領の就任式でのビル・クリントン氏。

Jim Bourg/Reuters

「世界でもっとも強大な軍隊を率いることになった1人の男が部屋から出てきた。無言で、これまでに見たことがないほど厳粛な態度だった」

外交経験がほとんどなく、これまで選挙で選ばれた経験もないトランプ氏に、核兵器を発射する権限を与えるべきか否か。軍の元核兵器発射担当官たちは、トランプ氏を大統領に選出する危険性を訴えてきた。

「1人の人間が負わなくてはならない重圧としては圧倒的なものだ。計り知れないほどの冷静さ、判断力、自己抑制力、外交力が求められる」

大統領選挙期間中の反トランプ氏キャンペーン「 #NoRedButton」の中で、担当官たちはそう書いている。

「トランプ氏にはこうしたリーダーの資質が欠けている」「彼の指を核のボタンに触れさせるな」

トランプ氏は20日金曜日の正午、大統領に就任する。

[原文:The pre-inauguration nuclear briefing Trump will receive is 'kind of like how to use your remote control for the TV']

(翻訳:十河亜矢子)

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