ドナルド・トランプ大統領上級顧問のケリーアン・コンウェイ氏
Reuters/Joshua Roberts
ABC放送「This Week」でジョージ・ステファノポウロス氏とのインタビュー中、トランプ大統領の納税報告書問題について、上級顧問ケリーアン・コンウェイ氏は、書類公開はしないと宣言し、事態にひと区切りつけようとした。
トランプ大統領の納税報告書公開を要求する嘆願書に10万人が署名したことを受け、ステファノポウロス氏はコンウェイ氏にホワイトハウスの反応について尋ねた。
「ホワイトハウスが出した答えは、大統領が納税報告書を公開しないということだ。このことは選挙期間を通して何度も話題にしてきたが、誰も気に留めなかったし、彼への支持は変わらなかった」とコンウェイ氏は述べた。
アメリカ国民が望んでいるのは、大統領の納税報告書の公開ではなく、税率の引き下げだとコンウェイ氏は続けた。
「これだけははっきり言おう。アメリカ国民の多くは、トランプ大統領の任期中の自分たちの納税報告書だけが気掛かりで、大統領のことは二の次だった」
コンウェイ氏の主張に反し、月曜日に公開されたABC Newsとワシントン・ポストの共同の調査によると、74%ものアメリカ国民がトランプ大統領は納税報告書を公開すべきとの考えだった。
加えて、12月の調査によると、65%のアメリカ国民がトランプ大統領の利益相反について、少なくとも「やや心配」だった。
コンウェイ氏は、ビジネスと大統領という立場の利益相反をなくそうと努めるトランプ一族の取り組みを挙げたが、専門家らは懐疑的だ。
The New Yorkerのライアン・リッザ氏によると「今日発表されたトランプ大統領の利益相反への対策はすべてにおいて不足しかない」とオバマ政権の倫理・政府改革元特別検査官ノーマン・アイゼン氏は述べている。
ましてや、コンウェイ氏の主張は、トランプ大統領が選挙公約として掲げた、米国税庁定期監査後の納税報告書公開と食い違っている。
[原文:'People didn't care': Kellyanne Conway now says that Trump will not release his tax returns]
(翻訳:近松瑛真)