女性たちが集結、ワシントンD.C.で史上最大の政治デモ

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ワシントンで行われた「ウーマンズマーチ」の参加者たち

Sait Serkan Gurbuz/AP

大統領就任式の翌日、ワシントンDCで行われた新大統領に反対するデモ行進「ウーマンズマーチ」に約50万人が集結した。

デモ行進は様々な文化的背景を持つ女性たちが、新政権に力強いメッセージを送るために企画された。彼女たちの存在が政権に無視されたり、その権利が蹂躙されないようにという意図を持つ。

Facebookの呼びかけから始まった小さな運動は、国会議事堂前の広場で行われたものとしては史上最大級の政治デモになった。 主催者側は20万人の参加者を予測していたところ、午後になって参加者総数予測を50万人に改めたとロサンゼルス・タイムスは伝えた

参加者は男女平等やトランプ大統領批判を書いたプラカードを掲げていたが、主催者側はデモ行進の目的は女性への応援であって、大統領批判ではないとしている。多くの参加者は、団結の象徴として「プッシーハット」と呼ばれるニット帽を被っていた。

有名人も数多く参加し、スピーチをした面々には、ワシントンDC市長ミュリエル・バウザー氏や国会議員たち、性犯罪被害者の権利を守る法律を国会に通すことに貢献した女性たち、「厄介な女(nasty woman)」であることの意味を語った詩を朗読した女優アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd)など。

TVドラマ「アグリー・ベティ」で知られる女優のアメリカ・フェレーラ(America Ferrera)が中央舞台から力強く開始を宣言した。

「敵は協力し合ってこの国をその手に取り戻そうと団結している。わたしたちも団結しなければいけない」とフェレーラ。

「常識やより良いもの、そしてみんなのための正義を信じる、わたしたち何万ものアメリカ人が、もし、それぞれの理由や名前によってわたしたちを分け隔てる罠に落ちたなら、それはわたしたちを疲弊させ、敗北へとつながる。でももし、わたしたちが協力できるなら、もし、ともに立ち、強く決意するなら、わたしたちにはこの国の魂を救うチャンスがまだあるはず」

アメリカ・フェレーラ「大統領はアメリカじゃない。わたしたちこそがアメリカで、わたしたちはどこにも行かない」。

「広く受け入れること」は多くのスピーチのテーマだった。

非営利団体の代表Rhea Suh氏は、壇上から人々が一枚岩である限り、より強くいられることを説いた。

「就任式の日に女性が集まって行進するべきだと言ったのはハワイのある女性でした。 見てください。50万もの強い意志をもった人々が集まりました。1人の女性が行進を生み、1つの行進がムーブメントを生む。力強いことだと思いませんか。この政権がどれだけ自分たちの方が強いと思っていても、わたしたちは彼らよりさらに強いということです」

フェミニズムの象徴ともいえる存在、グロリア・スタイネム(Gloria Steinem)氏も大きな歓声を受けて登場。 彼女は6大陸とアメリカ全州から女性が集結したことの意味に触れ、ネット上で意見を述べることに個人的な思いを述べた。

「時としてわたしたちは、自分たちが信じる場所にその身を置く必要があります。クリックするだけでは不十分です」と発言し、Twitter好きの大統領を暗に批判した。

「同じ場所に身を置くことで、電気やコンピューターがなくても、わたしたちと同じ希望、同じ夢を持つ世界中の同胞たちと、一体化することができます」

「こういったエネルギーのほとばしりや真の民主主義を久しく目にしていませんでした。 年齢差も大きく、多様さの幅も広い。憲法は“大統領であるわたしは”で始まりません。“人民である我々は”で始まるのです」とステイネム氏は述べた。

変わらないステイネム氏。いつも「もっと、もっと」と戦っている。現状に満足しない。

マイケル・ムーア監督は壇上に登場した数少ない男性の1人。

監督はトランプ大統領のモノマネで場をなごませた後、自分は高校生の時に教育委員会に参加しようとして、ミシガン州で公職に立候補した初めての10代だと述べた。

そして参加者に公職に立候補するよう促し、私立教育推進派で教育長官候補のベッツィ・デボス氏を非難し、「わたしもやった。あなたにもできるはずだ。誰が次に立候補する?」と述べて参加者を沸かせた。

マイケル・ムーア監督「我々はここにトランプ大統領による修羅場を終わらせることを誓う」。

同時期に全世界で600にのぼる姉妹行進が行われていた。ボストン、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、シドニー、パリ、マドリッド、そして東京。

トランプ大統領は、就任にまつわる伝統の一環として国立礼拝堂に参列し、さらにバージニア州のCIA本部で演説を行った。観衆に対し大統領は、CIA本部に大統領として最初に来たのは、ここにいる人たちが特別で素晴らしい人々だからだと述べ、就任初日に全世界に波及した反対運動に対しては何も語らなかった。

[原題:Women band together for what could be the largest political demonstration the US capital has ever seen

(翻訳:日山加奈子)

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