当選後の12月17日、サンキューツアーで訪れたアラバマ州で支持者に応えるトランプ大統領。
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トランプ大統領の就任直後の動向に関して、すでに様々な誤報が飛び交うなか、サム・アルトマン(Sam Altman)氏は大統領の動向を明確に伝える試みを始めた。
シリコンバレー有数のスタートアップインキュベーターである Y Combinatorの社長アルトマン氏は開発者やデザイナーたちと組んで、「トラックトランプ( Track Trump)」というウェブサイトを立ちあげた。このサイトは、トランプ大統領が掲げる公約の進捗具合をモニタリングすることが目的だ。
「公約に対する実際の取り組みと進捗を明確にするために、ダッシュボード(複数のデータを収集し、わかりやすく一覧表示するソフトウェア)を活用する」と、アルトマン氏はBusiness Insiderにメールで答えた。
「トラックトランプ」は、カナダのトゥルードーメーター(Trudeau Meter)や、オバマメーター(Politifact's Obama Meter)と同様に、政治リーダーの公約実践の進捗具合を示す。サイト利用者はカテゴリーを選択することもでき、カテゴリーは、移民、貿易、エネルギーと気候変動、連邦政府、経済政策、教育、医療保険、そして安全保障の8つにわかれている。
各カテゴリーには、トランプ大統領が就任前に発表した有権者との契約書(Contract with the American Voter)にある、就任後100日間の目標がリストアップされている。例えば、アメリカとメキシコの国境上に建設する壁(カテゴリー:移民)、中国製品への関税(カテゴリー:貿易)、全米共通学力基準の廃止(教育)などだ。
アルトマン氏と開発チームは、サイトの目標として以下の3つを挙げている。
1つ目は、政治とパフォーマンスを切り分けること。トランプトラックは、ツイートや公共の場での発言などに影響されず、純粋に政策だけを追跡していく。2つめは、ダッシュボードを利用して、政策とその変更を追跡し、サイト上で随時アップデートしていくこと。3つめは、報道機関に対する信頼のおける補完機能となること。
大統領が契約書にある項目に言及するたびに、トラックトランプはその具体的な動向を取り上げる(この記事を書いている最中にもすでに3件のアップデートがあった)。何か起きると、それぞれの項目の色が、グレー(アクションなし)から、イエロー(何かのアクションがとられた)、そしてグリーン(公約が実行された)へと変化する。また、100日間で何も進展がなかった項目は赤く表示される。
また、サイト上ではトランプ大統領の日々の動向(daily roundup)も取り上げられる。
開発チームはサイト上で、「政治的な見解にかかわらず、すべての人の役に立つこと。新政権の仕事ぶりをダイレクトに利用者にチェックしてもらうこと」を目標としている、と述べている。
(翻訳:水上雅裕)