あるスタートアップの復活物語 —— 彼らはいかにして主力サービス終了という危機を乗り越えたのか?

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Salesloft CEO カイル・ポーター

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2015年、アトランタにあるスタートアップ企業 SalesLoftのCEO カイル・ポーターは、主力サービス「Prospector」に頭を悩ませていた。「Prospector」は、顧客の見込み客リスト作成支援サービスとしてリリースされたのだが、実際、少なくない数のユーザーはLinkedInからメールアドレスを集め、「Prospector」を経由して大量のスパムを送りつけるために使っていた。もちろん、ポーターはこの使われ方に満足していなかった。

SalesLoftは新サービス「Cadence」を開発したばかり。売上規模はまだ7万5000ドル(約850万円)に過ぎなかったが、「うまくやれば」1000億ドル(約10兆円)規模のサービスになるとポーターは信じていた。もし、「Prospector」を“捨てる”のであれば、「Candence」が同社の主力サービスになる。

ポーターは投資家に「Prospector」の終了を伝えようとしていた。「終了間近のサービス『Prospector』の所有を前提とした企業としての評価額の算出」を依頼していたというわけだ。ポーターは投資家や従業員との「透明性のある関係」を重視していた。

2015年4月、SalesLoftはEmergence Capital Partnersを筆頭とする投資家たちから101万5000ドル(約1億1600万円)の資金調達に成功した。2015年11月、SaleLoftは「Prospector」を終了し、そのリソースを「Cadence」に移した。

「難しい決断だったよ」とポーターはのちに語る。

どうやら、賭けには勝ったようだ。SalesLoftは1億ドルの評価額を付けられ、David Cummingsを筆頭としたベンチャーキャピタルから145万ドル(約1億6500万円)を調達した。David Cummingsは「Pardot」を「ExactTarget」に955万ドル(約10億9100万円)で売却したことで知られている(両社とも現在はSalesforce.comに買収されている)。

ProspectorとCadenceの物語

「Prospector」の終了は「会社のリスタートを意味していた」とポーターは語る。製品戦略を大幅に変更するのは創業以来、2度目だった。

SalesLoftのこれまでのキャッシュフローは黒字だったが、それでもこの製品戦略の変更によって、マーケティングと新規顧客の獲得において新たなコストが発生することになった。

さらなる投資が必要だった。

ただ、これまで、経営においてはキャッシュ効率を重視していたおかげで、SalesLoftは前回の資金調達で手に入れた500万ドル(約5億7000万円)がそのまま銀行に残されていた。このため、新たな調達資金を必要とせず、結果的に「僕たちは他の会社よりも長く生き延びることができたんです」。新しく調達した資金は、製品開発とマーケティング、サンフランシスコの新拠点設立に使われる。

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SalesLoft「Cadence」

SalesLoft

「Cadence」は機械学習によって膨大なデータを分析し、セールスパーソンが見込み客と良好な関係を築くのを支援するサービスだ。ポーターは詳細を語らなかったが、「Cadence」のビジネス規模は2015年から2016年にかけて3倍になっていることを明らかにした。

(敬称略)

[原文:This startup killed its most profitable product because customers were using it for evil — now it's worth $100 million

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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