「給与交渉」で知っておきたいこと。
Strelka Institute for Media, Architecture and Design/Flickr
転職の面接で給与額を交渉する時、以下のように会社側から質問されるはずだ。
「前職での給与はいくらでしたか?」
そんな時、こんな疑念が浮かぶ人も少なくないはずだ。
「会社がそれを知る方法はあるのだろうか? もし言わなくても知られてしまうのか?」
それは場合による。でも案ずるなかれ。転職希望先の会社があなたの知らないところで前職の給与額を突き止める方法はない。Mitchell D. Kreiter弁護士がBusiness Insider に語ったところによると、前職の給与を確認するために応募者に直接、源泉徴収表または給与明細書を要求しないで(提供する義務はないが、拒否することで転職のチャンスを逃すリスクはある) 以前の雇用主に給与情報を開示することを求めるなら、応募者本人に対して開示を許可するサインを求める必要があるのだ。
「ルイジアナ州を除くすべての州は、将来の雇用主へ前職の給与の開示を承諾する許可フォームに応募者が署名していない限り、将来の雇用者が前職での給与について知ることを許可しないという同じ法規の基本原則を持っています。米国のすべての連邦法は統一されていることに注意する必要があります」。Kreiter弁護士はそう述べた。
あるいは、会社が応募者の前職の給与を尋ねることは、一切できないのかもしれない。 人材会社Adecco Staffing USAのAmy Glaser氏は、Business Insider の取材で、将来の従業員の前職の給与について企業が尋ねることに関する指針は州や組織によって異なると言う。 たとえば、マサチューセッツ州は、8月に男女間賃金格差を緩和するための1つの方策として、企業が応募者に過去の給与について質問することを禁じる初の州になった。
しかし、そうした指針に関係なく、前職の給与額を正しく申告しないのは良くない、と Glaser氏は言う。たとえ転職希望先の会社が前職の勤務先に給与額を問い合わせることがなくても、鍛え抜かれたベテランの人事マネージャーは応募者の市場価値を見抜いてしまうものだ。
「現在の給与額について嘘をついたり、希望の給与額を膨らませたりするのではなく、自分に必要なもの、希望するもの、受け入れられるものを厳密に見直すことが最善です」とGlaser氏は述べている。
「さらに応募者は、携帯電話代の払い戻し、会社からのパソコンの貸与支給、有給休暇などのインセンティブを含む報酬全体を念頭に置くべきです。転職時には、全体を見るようにしてください」
人事システムソフトウェアのStratex社の経理ディレクター兼人事管理リーダー、Gretchen Van Vlymen氏は将来の雇用主に正直であることが通常の場合に良い、と賛同する。ほとんどの応募フォームには「この書類に記載されていることはわたしの知る限り真実です」という宣誓の1行が入っている。嘘をついた場合、職を失うこともあり得るのだ。
Van Vlymen氏がBusiness Insider に語ったところによると、「同じような役職での転職の場合、不当な給与額を要求しても信用されず、選抜過程において転職者への信頼性を下げることになりかねません」
「前職を辞めた理由が、自分の仕事に対して十分な給料が支払われていないと感じていることが原因であれば、新しい雇用主に実際にその気持ちを伝えることで、当事者すべてが話し合いの優先順位と予想される展開について、同じ土俵に立てるのです。最終的には、雇用側と従業員、双方からの明確で透明なコミュニケーションが、最高の雇用関係を作るのです」
「嘘をつくことは決して良くありません。嘘はすぐにばれます。そして、あなたは嘘をついたがためにつまずいてしまうのです」とKreiter弁護士は述べた。
[原文:Here's the truth about whether an employer can find out how much you made at your previous company]
(翻訳:Conyac)