ハッカー集団「アノニマス」がトランプ氏に宣戦布告

(編集部注:この記事の内容は執筆時点のものです。)

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演説中の米大統領候補、ドナルド・トランプ氏(2016年2月29日バージニア州にて)。

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ジョン・マカフィー氏は自由党大統領候補として出馬中。この記事は彼の許可を得て掲載している。

ドナルド・トランプ氏はサイバーセキュリティに対する立場を明確にしておらず、この件についての彼の公の場でのコメントは馬鹿馬鹿しいもの(Appleをボイコットしよう!)から、くだらないもの(ISと戦うためにはインターネットの一部を閉鎖する必要がある)まで幅広い。

彼の立場を最もうまく表現したのは、おそらく雑誌『WIRED』だろう。「前後の脈絡、洞察力、明晰さ、さらには論拠の欠如」が言及されている。

だが、(2016年)4月1日がきたら、トランプ氏はサイバーセキュリティについて見直すに違いないと私は考えている。もしかしたら首尾一貫した政策まで考えつくかもしれない。

なぜなら、アノニマスが4月16日水曜日(現地時間)にトランプ氏に対する全面戦争を告知したのだ。私が知る限り、アノニマスが攻撃の標的と開始時間を事前に告知したのは初めてだ。

アノニマスのウェブサイトの寄稿者「Righteous」は、昨年トルコを攻撃したハッカー集団の責任者でもあるが、4月1日に予定されている攻撃の重要性をいつも以上に重大に考えているようだ。また攻撃に参加しようと興味を示しているアノニマスのメンバーに、以下のように警告している。

「私はアノニマスニュースの寄稿者として、今回の事前告知に対し、警告を発しないわけにはいかない。通常、攻撃が行われる場合、何週間も前に日付と時間を告知することなどあり得ない。トランプ氏もこの件についてすでに承知だろうし、NSA(国家安全保障局)やシークレットサービスも4月1日にはインターネットの動向を厳しくチェックだろう。わかっていると思うが、トルコの攻撃に関わったアノニマスのメンバーは、ハッカーの中でもエリート中のエリートだ。もし自分の行為やIPアドレスの隠し方、ネット上の痕跡を誤魔化すことすらできないでこの攻撃に参加したら、捕まってしまうだろう」

アノニマスはトランプ氏の社会保障番号、生年月日、携帯電話の番号を含むファイルをメンバーに公開している。このファイルはトランプ氏の代理人や法律関係者のみならず、家族や近しい関係者の個人情報までも含んでいる。

Anonymous

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アノニマスの活動を長年にわたって見てきた私にとっても、これほど事前に準備されたハッキングは見たことがない。事前告知にも関わらず、攻撃に自信を持っているのは、アノニマスがいかにこの件を全世界に深刻に受け止めてほしがっているかを物語っている。

私は、個人的にはこの件について葛藤している。アノニマスは、中国やロシア、あるいはその他の敵国とのサイバー戦争からアメリカを守るという重要な役割の一翼を担ってきた。最も大事なところでは、人々のプライバシーや自由を尊んでいるし、それが私の信念と重っている。アノニマスはアメリカの危機において政府を支援してきたし、ISの一連のソーシャルメディア活動を壊滅させることに尽力した。

そして、トランプ氏に対しては同情を禁じ得ない。アノニマスがどれくらいのことができるのか、わたしは十分理解しているし、同時にトランプ氏に何ができないかも理解しているから。 攻撃を回避するシステムを設計し、実装するにはもう遅すぎる。ただ何が起ころうとも、トランプ氏はサイバー攻撃について、何が可能か、より深く理解し、来るべきサイバー戦争についても、より深く理解することになるだろう。

そのために私は、なんの思惑や制約もなく、トランプ氏の選挙運動に必要なサイバーセキュリティプラットフォームの構築を申し出ている。このサイバーセキュリティプラットフォームは、将来、サイバー戦争が現実のものとなったときにアメリカを守るものだ。

[原文:JOHN McAFEE: Hacker group Anonymous just declared war on Trump — here's why he'll soon have a different view of cybersecurity

(翻訳:日山 加奈子 )

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