20秒で分かる1880年以降の地球の温暖化

2012年〜2016年の世界平均温度のイメージ

2012年〜2016年の世界平均温度のイメージ

NASA/Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio

NASAおよびアメリカ海洋大気庁(NOAA)の分析によると、1880年に近代の記録管理が始まって以来、2016年がもっとも暑い年となり、その後、3年連続でその記録を更新していることが分かった。

長年かけて地球の表面温度を追跡したデータが多くあり、その事実は信憑性があると確信している。

NASAとNOAAの科学者たちは、世界中のさまざまな気象観測所から情報を取得している。現在、NASAは約6300の気象観測所、南極研究所、船舶および浮標に取り付けられた計測器を利用。これらすべての記録は、温度上昇は長期的傾向の一部であり、そのほとんどが過去35年間に起きていることを示す。

NASAゴダード宇宙飛行センターにあるビジュアライゼーションスタジオ(Visualization Studio at NASA Goddard Space Flight Center)の厚意により、最近公開された温暖化の様子を視覚的に確認できる動画が、NASA気候変動チームによりYouTubeに投稿された。

この動画では主に、19世紀後半から大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、それに伴い、地球の表面温度が約華氏2度(摂氏1.1度)上昇したことを示している。

もっとも懸念されるのは、過去数十年間にこれほど大きな影響が気温に及んだという事実である。このデータの視覚化について、NASAが投稿した説明の通り、もっとも暖かい17年のうち16年が2001年以降に記録されている。

最近の調査によると、過去これほど高い気温が記録された時(約12万5000年前)は、海面水位が現在よりも約6メートルから9メートル高く、かなりの数の沿岸都市を水没させてしまう程であることが分かった。研究者たちはこのようなデータを検証し、状況がどのように変化するかを明らかにしようとしている。しかし現在の温暖化は急速に進んでいるため、現在の気温が海面水位に、そしてこの地球上の居住可能地域にどう影響を及ぼすかまだ分かっていない。

NASAゴダードセンター(NASA Goddard)のセンター長であるギャビン・シュミット(Gabin Schmidt)氏によると、自然変動やエルニーニョ現象(EL Niño)、ラニーニャ現象(La Niña)による短期的な影響により、ある程度の温度変動を引き起こす可能性がある。そのため毎年記録が更新されるということはないが、二酸化炭素の排出量を削減する活動がなければ、地球の表面温度がどうなっていくかは容易に分かる。

シュミット氏は、「毎年記録が更新されるとは思っていないが、現在進行している長期的温暖化の傾向ははっきりしている」と述べている。

[原文:This 20-second NASA video shows how Earth temperatures have changed since 1880

(翻訳:Conyac

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